520:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:50:37.56 ID:lYp+dXcSo
「寒くないの?」と妹は言った。
「そんなには」と俺は答える。
俺は彼女が本当の妹だったらよかったのにと思った。
それだったら諦めもついたかもしれない。
結局俺は兄にはなりきれなかった。
でも、本当に“そう”なんだろうか。
単に異常な性欲が、身近な異性である彼女に向かっているだけだとか。
ロマンス的な境遇に酔っているだけだとか。
本当のところ、ただの気の迷いなんじゃないのか。
いずれにせよ俺の気持ちは誰も幸せにしない。
あっ、と妹が声をあげて、空を指差す。
「見て、あれ」
俺は彼女の指が示した方を見上げる。
ああ、と声が出た。
雪が降っている。
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