57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 16:24:51.12 ID:yuDoQasso
「いらない。平気。ぜんぜん大丈夫」
俺は必死になって断った。
幼馴染に問題を説明するとなると、細かい部分までしっかりと訊き尽くされてしまうだろう。
そうなれば、タカヤの話以上に、妹のことも話さなくてはならない。
さすがに、胸さわったら無視されました、なんて女には言えない。
……いや、逆か? 女にこそ相談してみるべきなのか? 俺は少し迷った。
「ま、話したくないならいいです」
俺が考えているうちに、幼馴染はすぐに引き下がった。だが、あきらめたわけではないだろう。
機会を待つつもりなのだ。
老獪な蜘蛛のように……というのはさすがに言い過ぎだろうか。だが雰囲気はそんな感じだ。
手のひらの上で踊らされているような錯覚。
いくら隠し立てしても、そのうち分かってしまうのだから、という自信が見える。
もちろんそれは俺の思い込みなのだろうが、彼女には何もかも見透かされているような気がする。
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