701:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:33:50.94 ID:WtNDZQ1po
ちょうどいい時間だったし、昼食を取ることにして、どこか適当な店に入ることにした。
タカヤとみーの行動圏を気にしつつ、あまり遠くなく、財布に優しい場所。
すべてにおいて適当な場所はなかったが、少し移動して近場のファミレスに向かうことにした。
702:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:34:18.80 ID:WtNDZQ1po
――去年の今頃。
不意に、視界の端に見知った顔を見つけた気がした。俺以外の人間は誰も気付かない。
すれ違った相手。立ち止まって後ろを振り向く。モスは足早に歩いていく。
703:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:34:50.96 ID:WtNDZQ1po
混乱する。
いったいなぜ、彼女が俺たちを見て微笑んだりするんだ?
その笑顔はひどく暗示的だった。
704:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:35:16.85 ID:WtNDZQ1po
幼馴染の態度は、アキとすれ違って以来奇妙なものになった。
どうにも挙動不審で、ときどき機嫌をうかがうような目で俺の方を見る。
その態度はいつになくおどおどとして自信なさそうだった。俺は彼女のこんな姿を見たことがない。
705:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:35:42.88 ID:WtNDZQ1po
「ごめんなさい」
と幼馴染は口を開いた。
706:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:36:14.64 ID:WtNDZQ1po
途中までは四人一緒の帰り道だった。最初にモスと別れ、次に俺の家について、妹を先に帰す。
最後に幼馴染を家まで送る。道順的に、彼女の家が一番遠かった。
「……ごめんなさい」
707:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:36:40.83 ID:WtNDZQ1po
立ち去ろうとすると、後ろから引っ張られる。
上着の裾を幼馴染が掴んでいた。
何のつもりかたしかめようとして振り向くが、彼女は俯いていて、表情が良く見えない。
708:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:37:18.74 ID:WtNDZQ1po
「無理せずに寝てろよ」
「……うん」
709:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:37:44.83 ID:WtNDZQ1po
家についてすぐ、疲労感に襲われる。特に何をしていたわけでもないのになぜだろう。
理由は分からなかったが、気分がまったく落ち着かなかった。
なぜだろう? 何かが起こっている気がする。本来ならすべて終わっているはずなのに。
710:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/26(火) 12:38:11.84 ID:WtNDZQ1po
つづく
126-10 恐れているように見えることだ。 → 恐れているように見える。
149-2 ときの頃。 → 頃のこと。
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