8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:53:07.95 ID:+LQnK3JMo
ああもうだめ。足は確かに鍛えたが、俺は短距離ランナーだった。愛すべき瞬発力。花火のように一瞬の輝き。
もう疲れた。俺はアスファルトに倒れ込む。もう、煮るなり焼くなり好きにしてくれ。
息も絶え絶え崩れ落ちた俺の姿があまりに情けなかったからか、男たちは拍子抜けしたようで、何もしてこなかった。
「戻ろうぜ」と片割れが言った。「ああ」ともう片方が頷く。仲いいなぁ、こいつら。
羨ましい。心底羨ましい。
こんな俺に、父ならきっとこう言うだろう。
「だがな、真面目で一生懸命で、他人のことを考えられる人間が、最後には笑うんだよ」
うるせえ馬鹿親父、と俺は思った。最後だけじゃ意味がねえんだよ。
あいつらは真面目にやってないように見えるけど、楽しそうじゃねえか。
あいつらなりに真面目、なんて言葉はいらねえぞ。
そんなこと言い出したら、この世に不真面目な人間なんていなくなっちゃうだろ。
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