825:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:57:18.73 ID:B/yKFTgZo
殴られたような衝撃を覚える。
強く認識する。
なにひとつ終わってなんかいないのだ。
あの日の地続きに俺は立っているのだ。
「……たかだか数ヵ月一緒にいただけだろ。一年以上会っていないのにひきずるなんて、どうかしてる」
俺は強がりのように言った。
「本当にそう思う?」
アキは言う。俺は答えられなかった。
「あの冬に」
お気に入りの詩でもそらんじるような声だった。
俺はその声が、白く染まって冬の空に溶けていくさまを見る。
その光景が、かつての俺は好きだったのだと思った。
「あの冬にね、わたしに話しかけてくれたのは、あなただけだったよ。それはわたしにとってとても重要なことだったの」
大袈裟な言い方じゃなくてね、とアキは言った。
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