848:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:03:27.94 ID:5zJPOgVlo
俺が足音を立てても、彼女は俯けた顔をあげようとはしなかった。
鳥居をくぐって少し進んだ右手に、大きな樹がある。その枝が、上空を暗く覆っているのだ。
夏になると葉陰が心地よく、風のざわめきが心地よい。そういう場所だ。
けれど今は冬だったし、風景はとても寂しげだった。
実際、寂しいんだろうなぁと思った。そういう場所だ。
膝を抱えて俯いたまま、幼馴染はぽつりとつぶやく。
「こないでください」
1002Res/524.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。