849:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:03:55.64 ID:5zJPOgVlo
小さな声だった。俺は戸惑う。
初めて見る態度だった。こんなことを言われたことは一度もなかった。いままで一度も。
だから俺は一瞬立ち止まっておきながら、また一歩踏み出した。
「こないで」
と、さっきより鋭い声が飛ぶ。弱々しい響きながらも、その声を孕んで聞こえる。
「こないでください。ほうっておいてください」
と言われて、放っておくわけにもいかない、わけでもない。
こいつに今背を向けて帰ったところで、別に間違ってはいない気がした。
いや、人間としても男としても友人としても間違っている気はするが、それでも。
そんな間違いよりも、今ここに来てしまったことの間違いの方が、ずっと大きい気がする。
「……もう、やめましょう。疲れました」
1002Res/524.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。