908:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:19:35.41 ID:EPAdG/kto
急に眠気が襲ってくる。だからどうでもいいことを考えるのだ。
でもしょうがない。うとうとしていると、頭の内側のスクリーンで奇妙な映像が流れ始める。夢だ。
どうやら夢らしい。でも、細かなディティールが分からない。なぜだろう。
たぶんまだ眠っていないからだ。そうか、なら寝ればいいんだ。俺は眠ろうとする。
夢の中に入り込む。俺は子供だった俺を見下ろしている。
今よりも暗い顔をしている。貧相なチビだなぁと俺は思った。今と大差ない。
そばに小さな女の子がいる。どうやら手を引かれているらしい。女に手を引かれるなんてみっともないガキだ。
そのチビにとって、目に映る大半のものは巨大だった。
雲もポストも、ガラス製の灰皿も母親の手のひらも、坂道もアジサイも、家の扉も少女の手も、巨大だった。
赤いマニキュア、煙草の火。
チビは少女に手を引かれ、公園に入っていった。さびれた公園。なんにもない。
ベンチと滑り台、雲梯とブランコ。シーソーにばね仕掛けの動物の乗り物。砂場に埋もれた瓶コーラの王冠。
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