924:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:28:21.90 ID:frJK78Ono
目がさめる。
背中に何かが乗せられる。振り向いた。
925:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:28:49.41 ID:frJK78Ono
「おかえり」
「……ただいま」
926:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:29:15.92 ID:frJK78Ono
……いや、「なんで」も何も。
イブの日にふたりで会うって言ったら、そういう話になる、のか?
少し突飛と言う気もするが、詳しい説明は省いていたような気がするし。
927:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:29:42.49 ID:frJK78Ono
「……落ち込んでる?」
どうして分かってしまうのか。
言うまでもなく、俺が分かりやすいのだろうけど。
928:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:30:16.44 ID:frJK78Ono
俺は少し気まずい。
「ねえ、不誠実なのと無責任なのだったら、どっちがマシだと思う?」
929:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:31:06.92 ID:frJK78Ono
上着を羽織って家を出る。妹は何も言わずについてきた。
夜道を歩く。ぼんやり。ふたりで。なんだかひどく現実味がない。
930:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:31:33.10 ID:frJK78Ono
茶髪は俺に何も言ってこなかった。アキから何も聞いていないのかもしれない。
というより、聞いていないだろう。おそらく。
コンビニの店内は、時間のせいもあるのだろうが、結構混み合っていた。
931:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:32:10.17 ID:frJK78Ono
デザート用の棚には二個入りのショートケーキがおいてあった。
チョコレートケーキとチーズケーキもあったのだが、こういうのは雰囲気先行だろう。
他にも何かを買おうかと思ったが、気分が乗らなかったし、妹も何も言わなかった。
932:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:33:16.01 ID:frJK78Ono
「……なぜ手を繋ぐ」
「気にしないで。別に理由はないから」
933:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:34:02.37 ID:frJK78Ono
「兄さん」
と彼女は言う。
不安そうな顔をしている。何故そんな顔をするのか、俺には分からない。
934:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:34:33.31 ID:frJK78Ono
不意に妹の手のひらから力が抜けて、離れていきそうになった。俺は咄嗟にそれを握る。
妹は驚いたようにこちらを見上げた。俺は視線を逸らす。
何をやってるんだ。
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