938:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/10(火) 15:36:44.31 ID:frJK78Ono
「ごめんね」
と彼女は謝った。
「なにが」
と訊ねようとしたが、できなかった。
塞がれた。
口。
俺の頭は一瞬で機能停止したけれど、不思議と何が起こったのかははっきりとわかった。
ゼロ距離にある顔だとか、咄嗟に吸い込んだ鼻からの息にまぎれこんだ匂いとか、そういうものは後から気付いたもので。
まず最初に、状況を理解していた。
ふたたび正常な距離感を取り戻す。俺は自分の呼吸が止まっていたことに気付いた。
妹は視線を下ろしている。叱られる前の子供みたいな顔。
泣き出しそうな目をしていた。
「……なんでキスした」
何を言えばいいかわからず、まぬけなことを言ってしまう。
1002Res/524.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。