234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/06/05(火) 23:56:21.71 ID:hb4Q2hkDO
〜 時は戻って校門 〜
勇者「……」
魔王「どうした? 固まって?」
勇者「いえっ! 何でもないです!」
勇者は魔王に振り返り、びしりと背筋を伸ばした。
魔王「そうか、ところで一つ聞きたいのだが……」
勇者「はい! 何なりと!」
魔王「隣の女は誰だ」
魔王の鋭い視線が勇者を射抜いた。
勇者「……」
ヤバイ、と勇者は本能的に理解した。
ウソをついてもすぐにバレるだろうし、後ろめたい事を隠しているように見てとられてしまう。
──包み隠さずに本当の事を言えば許してくれるかも……
わずか数瞬の間に勇者の脳髄が生存ルートへのフローチャートを作成する。
そして、勇者はそれに従うように口を開いた。
勇者「実は、学校に来る途中に」
機姫「初めまして! 従妹の機姫です!」
しかし、底抜けに明るい機姫の声が勇者のセリフを塗り潰した。
勇者「おまっ!?」
魔王「ほう、従妹?」
機姫「はい! 今日は朝からお兄ちゃんの家に遊びに来てたんです!」
魔王「へえ……朝から?」
ぎらり、と魔王の瞳が不吉な色を揺らがせた。
541Res/361.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。