過去ログ - 勇者「幼なじみが魔王女」
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274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/07/22(日) 07:16:02.75 ID:63hdO+ODO
機姫「お兄ちゃん、今までずっと眠ってて、私がいないと本当にダメダメなんだから」

勇者「ちょっ、やめっ……」

 機姫はしゃべり方まで変えて事前の打ち合わせで決めた設定をなぞり、忠実に従妹を演じていく。
 その機姫のかいがいしさはありがたいのだが、今の勇者にとってそれは死亡フラグ以外の何物でもない。 なぜなら、目の前にいるのは家族同然の付き合いである魔王なのだ。騙し通せる訳が無い。

魔王「ほうほう、初耳だ。お前には従妹がいたのか。そうかそうか」

 ふと、魔王がにっこりと勇者にほほえんだ。が、目はちっとも笑っていない。

勇者「そ、そうだったかな……お、おぼえてないなぁ……」

 汗をダラダラと流しながら、か細く震える声で勇者が返す。
 その時、ちょうど女子たちが魔王の背後から追いついてきた。

水精女子「あ、修羅場」

吸血女子「しっ! こんなおもしろ……真面目な場面に口を出したらダメよ」

狐教師「そうそう、ギャラリーは静かに見物するものだよ」

人女子「先生!? なんでこんなところに!?」

狐教師「こんなおもしろ……教師として生徒の問題を看過出来ないだろう?」

勇者「……ちくしょう……ちくしょう……」

 勝手なことをのたまうギャラリーたちに、しかし勇者は震えながら恨みがましくつぶやくしか無かった。


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