過去ログ - 勇者「幼なじみが魔王女」
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321:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/07/30(月) 00:33:48.61 ID:i46tR5SDO
機姫「一つよいか?」

職員「どうぞ」

機姫「住所どころか住民登録もない異国の者はどうすればよいのか?」

職員「あぁ……もしかして中立地帯への旅行客の方とかですか?」

機姫「そんな所じゃ、それでワシがアルラの保護者になるにはどうすればよいか?」

職員「よほど信頼筋の方でないと無理ですね。中立地帯への貢献が大きい方や、その地域地域で公の組織に入っている方とかでないと難しいです。
 えっと、あなたはそのどちらかに……?」

機姫「……入っておらん」

職員「……」

機姫「……」

アルラ「ぴ?」

 嫌な沈黙が辺りに漂う。
 だがやがて、職員がおもむろに口を開いて強引に話を進めた。

職員「そ、それじゃ、私はこの娘を連れて行きますね?」

機姫「……」

 機姫は口を『へ』の字に曲げ、職員へと恨みがましい目を向けた。

職員「に、にらんでもダメですよ!?」

機姫「……じーっ」

職員「うっ……こ、この娘も仲間が多い方が幸せですよ、きっと」

機姫「む?」

職員「それに今生の別れになる訳でもないですし、犯罪者でもなければ借り宿でも住所にして住民登録をすれば今すぐにでも保護者になれますよ?」

機姫「……」

 機姫はアルラに振り返る。

アルラ「ぴ?」

 太陽のように明るい笑顔がそこにあった。
 そして、それが機姫の決意の一押しになった。

機姫「……生活は」

職員「はい?」

機姫「農園とやらでのアルラの生活は、良いものじゃろうな?」

職員「はい! それはもちろん!」

機姫「そうか、なら……頼む」

アルラ「ぴ?」

 機姫はアルラの様子を横目で一度うかがい、そして顔を伏せる。
 そんな機姫を見ながらも話を理解出来ていないのだろう、アルラは一人だけ柔らかな笑みを浮かべながら小首を傾げていた。


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