過去ログ - 勇者「幼なじみが魔王女」
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351:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/08/01(水) 19:07:22.11 ID:ePR+U2TDO
〜 放送席 〜

吸血女子『初手は閃光弾による目眩まし! やっとこさ物が見え始めた私にはその間に何があったのかサッパリですが、現在は両者の間で激しい攻撃の応酬が繰り広げられている!
 魔王の魔法で大地が爆ぜ、機姫の銃撃がトラックに新たなレーンを抉り刻んでいく! ここは本当に校庭か!? かくの如き惨状の前では手付かずの荒野も整地された街路に等しく思えて来ます!』

会長『子供の頃に戦争映画を見た事があるけど、もうもうと辺りに立ち込め始めた土煙と爆煙の今の眺めがそれと酷似しているね』

吸血女子『流れを見ないまったりとした意見をありがとうございます!
 しかし、戦争という例えは確かにピッタリ! ここは戦地、魔王と機姫の決戦の場! ならばこそ、この校庭の惨状はむしろ二人に相応しいのかもしれません!』

勇者「無茶をやるなぁ……」

機械女子「でも、まだお互いに牽制しあっている感じですね」

機械男子「ちょうどいい。勇者、今のうちに用事を済ませておこう」

勇者「そういえば話があるんだったな。何の話だっけ?」

機械男子「機姫のウェポンラックについてだ」

勇者「機姫のウェポンラック? 確か、おまえら二人で放課後までいじっていたよな、アレ」

機械女子「はい、私たち二人で機姫ちゃんのウェポンラックを修理ついでにくまなくいじって眼福していたんですけど……」

機械男子「いくつか気になる事があってな」

勇者「なんだ? 言ってくれ」

機械男子「まずウェポンラックだが、アレは現代では既に失われている古代の技術が多分に使われている」

機械女子「それはもう過去の大戦で喪失した技術がたっぷりとです。アレは現代で製作する事はおろか、探して入手する事も困難な代物です」

勇者「へぇ? 機姫の言ってた通りに値打ちものだったんだな。でも、なんで機姫がそんな物を?」

機械女子「その事なんですけど……」

機械男子「ウェポンラックの中身は経年劣化を防ぐために、入念なコーティング処理が施されていた。だが一部のパーツは消耗品だったようでコーティング処理から洩れ、錆びて朽ち崩れていた。
 その消耗品パーツの様子からどれくらいの年月が経過したのかを知る事が出来たのだが……」

機械女子「おおむね百年以上は経過していたんです」

勇者「百年以上昔のもの……代々伝わる家宝みたいなものか」

機械男子「……」

機械女子「……」

勇者「どうした二人とも? 急に押し黙って」

機械男子「勇者、実はウェポンラックの中で見つけた物がもう一つあるんだ。コーティング処理のおかげで新品同然の輝きを放つ魔導核だ。
 そして、そこには機械族の王家の紋章が刻まれていた」

機械女子「だけど、機械族には現在、王家はありません。過去の大戦で王家の親類縁者もすべていなくなり、その系譜は五百年も昔に途絶えています」

勇者「なんだって? じゃあ機姫は途絶えた王家の末裔……いや、違うな。親類縁者もすべていなくなったって言ったよな。どういう意味だ?」

 首をかしげる勇者に、機械男子は無言で右手を差し出す。
 その手には、一枚の新聞紙が握りしめられていた。


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