過去ログ - 勇者「幼なじみが魔王女」
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/25(金) 18:38:07.75 ID:9OEyVz1DO
勇者「そうだ! お前はいつもオレを矢面に立たせてひどい目に合わせるじゃないか!」

魔王「それは……」

勇者「もう知らん! フルマラソンには出ない!」

魔王「ま、待て! それは困る! 私はお前が勝つ方に全財産を賭けているのだ!」

勇者「……昔っからそうだよなお前は! そんなに金が好きなら、オレなんかより金と結婚したらどうだ!」

苛立ちまぎれに放った、勇者の何気ない一言。
だが、その何気ない一言に、魔王は大きく目を見開いて動きを止めた。

魔王「……っ!」

勇者「え?」

魔王「……」

勇者「……」

わけの分からない、重苦しい沈黙。
混乱する勇者。
しかし、やがて魔王が唇を震わせながら一言一言、言葉を紡ぎ始めた。

魔王「お前は……覚えていないのか……」

放たれた魔王の声は、小刻みに震えていた。

勇者「……!」

今度は、勇者が目を見開く番だった。

涙。

──見合わさった魔王の顔が、悲しく、苦しげに歪み、その瞳から涙がひとつ、筋となってこぼれ落ちた。
普段の気丈な『魔王』はどこにもなく、今にも崩れ落ちそうな、儚い『少女』がそこにいた。


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