過去ログ - 勇者「幼なじみが魔王女」
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440:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/08/11(土) 21:44:33.73 ID:mLZhiMaDO
〜 農園 〜

機姫「ほへ〜」

長老「う"ぃ〜」

アルラ「ぴ〜」

 まったりと日光浴に励む三人。
 それを遠目に見ながら、職員は農園長へと話しかけた。

職員「また来てますね、機姫さん」

農園長「仲が良いのは素晴らしいこっちゃ」

職員「私、機姫さんを罠にはめた気がして顔を合わせるのが心苦しいのですが……」

農園長「『気がして』じゃなくて、罠にはめたんだよオレたちは」

職員「はう……」

農園長「まあ、どんな魔法を使ったか知らんが、機姫の嬢ちゃんは街の修繕費用も全部支払ったそうじゃないか。結果オーライだ」

職員「そういうものですかねぇ……」

農園長「そういうものだ。それでも心苦しいって言うなら、機姫の嬢ちゃんの友人である長老とアルラのために、この農園を盛り上げていこうや」

職員「そう……ですね。はい!」

 職員が自分を納得させるように大きく頷いた。
 すると、ちょうどその時、一匹のアルラウネが職員の足下へと駆け寄って来た。

アルラウネ「みっ!」

職員「あれ? この子……」

農園長「どうした?」

職員「いえ、どこか他のアルラウネちゃんたちと雰囲気が違うなーて」

農園長「アルラウネは『巡礼』のおかげで世界中に散らばっているからな。地方地方で特色が出るんだろ。
 ま、それが分かるようになるだけお前も成長したってこった」

職員「あ、あはは……ありがとうございます。でも、地方地方の特色かぁ」

 職員は農園長に褒められてくすぐったそうに笑い、それから足下のアルラウネに両手を伸ばした。
 子犬程度の大きさのアルラウネは抵抗なく持ち上がり、職員はそのままアルラウネを自分の顔に近づけてささやきかけた。

職員「はてさて、君はどこの地方の生まれなのかな?」

アルラウネ「み?」

 アルラウネの丸い瞳は濁り無く、うっすらとした緑を湛えながら、職員を不思議そうに見返していた。


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