458:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/08/13(月) 21:35:37.90 ID:eysnCWnDO
少女「……新入り?」
降りてきた人影──黒いワンピースを着た黒髪紅眼の、くすんだ紺色の肌の少女は気怠そうに船長へと尋ねた。
船長「おう! 久しぶりにイキの良い奴だぜ!」
アルラウネ「イキの良い奴だぜ!」
少女「……バカ?」
アルラウネ「え? 誰が?」
少女「……」
ふぅ、と少女は肩をすくめるとアルラウネから紅い瞳を逸らした。
船長「まあまあ、こういうムードメイカー的な奴も航海には需要があるって! な?」
少女「……航海しているつもりは無い」
アルラウネ「航海?」
アルラウネは船長の方を向き、視線で尋ねた。
船長「ああ、俺たちは航海中だ。行くあてもない、海上を彷徨(さまよ)える死霊の一団。
それが俺たちだ」
アルラウネ「な、なんか格好いい!」
船長「へへ、そうかい? そして、その一団を率いているのが目の前にいるこの姐御様々ってわけだ」
少女「……姐御って言うな」
アルラウネ「格好いい!」
少女「…………はぁ」
少女は短く嘆息した。
船長「クカカッ! ま、そんなお前も今日から俺たちの仲間入りだ。よかったな?」
アルラウネ「……へ?」
船長「ん? どうした?」
アルラウネ「それって……私も皆と一緒に航海するの?」
船長「ああ」
アルラウネ「行き先は?」
船長「無い」
アルラウネ「つまり、海の上をずっとぐるぐると?」
船長「ぐるぐると」
アルラウネ「いつまで?」
船長「永遠に」
アルラウネ「いやーッ!」
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