460:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/08/13(月) 22:41:32.22 ID:eysnCWnDO
アルラウネ「はーなーしーてー!」
船長「ああもう! いっそのこと首をキュッとして、さっさとアンデッドに……」
少女「待って」
騒がしい部屋に、少女の声が凛と響いた。
船長「な、なんだ姐御?」
少女「あなたじゃない。そっちの妖樹族」
アルラウネ「……わたし?」
少女「そう。……『フロンティアスピリッツ』って、そんなに素晴らしいものなの?」
少女はアルラウネに顔を向けて、ただ尋ねる。
だが、細められた紅い瞳は鋭い眼光を冷然と放ち、その小さな体躯からはあらゆる虚言を絶対に許さないという少女の無言の迫力が滲み出ていた。
船長「お、おおぅ……」
少女の凄みに押されて、船長が一歩後退る。
その拍子にアルラウネはまんまと船長の左腕から飛び降り、床板へと着地した。
アルラウネ「……しょっ、と」
少女「答えて。……それとも、やはり全部口から出任せの嘘だから答えられ……」
アルラウネ「本当だもん!」
アルラウネは胸を張って少女に言った。
少女「……っ」
アルラウネ「フロンティアスピリッツは世界で最高に素晴らしいものだもん!」
息を飲む少女に、アルラウネは物怖じせず堂々と言い放った。
自分自身が唯一無二の価値観を預けているもの──真実を味方につけた者は、かくも強かった。
──たとえ、その中身を本人が詳しくは知らずとも。
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