463:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/08/14(火) 02:06:48.77 ID:qhrOla+DO
船長「さて、と。……姐御!」
少女「ん」
船長が芯の通った野太い声を上げると、船の舳先で潮風に煽られていた少女が船長とアルラウネの方に振り返ってきた。
少女はそのまま宙に浮かび上がり、二人の下へと飛んでくる。
少女「……準備が出来たのか?」
そして無音で軽やかに二人の傍に着地した少女は、これまた静かな声で二人に問いかけてきた。
船長「おうよ、船はいつでも出航できるぜ! 妖樹族の嬢ちゃんもバッチリお目覚めだ!」
アルラウネ「お目覚めだー!」
少女「ん、わかった。では頼む」
船長「無味乾燥だなぁ……」
少女「……ダメか?」
船長「いや、ダメってワケじゃねーが、もっとこう……『出発進行ーッ!』って感じの号令が欲しいぜ。
せっかく新たな門出なんだからよ」
少女「……」
少女は明らかに「面倒くさい」と言わんばかりの顔で口を閉じる。
船長はやれやれと首を振った。
船長「まあ、いいか……では」
アルラウネ「はいはーい! 私が号令しまーす!」
船長「……お前が?」
アルラウネ「はい!」
船長「……」
少女「やらせてみよう」
船長「姐御……あんた、渡りに船だからってそんな……」
アルラウネ「やりまーす!」
船長「ん〜、ちょい待ち! 号令を下すんだったら、やっぱそれなりの地位がないとな」
アルラウネ「地位?」
船長「ああ、船長が俺でカシラが姐御。お前はそうだな……副船長……って感じじゃないなぁ……」
アルラウネ「面倒くさーい!」
少女「面倒くさい」
船長「俺のポリシーなの! これは譲れない!」
アルラウネ「ぶーぶー!」
少女「ぶーぶー」
船長「姐御も乗らない!」
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