509:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/09/19(水) 21:22:07.38 ID:4lvYFRUDO
鬼姫「お、おぉぉおおぉぉ……」
アルラウネ「……?」
頭を両手で抱え、大地の底から響いてくるような重苦しい嘆き声を上げる鬼姫。
アルラウネはそれを悪気の欠片も無いつぶらな瞳で見上げながら、不思議そうに首を傾げた。
鬼姫「おぉ……う、おぉ……」
アルラウネ「どうしたの?」
鬼姫「ぐ、ぐぎぎぎぎ……」
対する鬼姫は、いけしゃあしゃあと声をかけてくるアルラウネを前に握り拳を作り、振り上げ、しかしその拳はプルプルと震えるだけで振り下ろされない。
愛くるしい外見のアルラウネを殴り飛ばすか、否か。
倫理やら理性やら恨み辛みやら、荒れ狂う様々な激情の狭間で揺れる鬼姫の拳は、だがやがてゆっくりと振り下ろされた。
──ゴスッ。
鬼姫「……ぐぅ」
振り下ろされた鬼姫の拳は、何もない地面を叩いていた。
そして、鬼姫はそれで気力をすべて使い果たしたように、その場にへたり込んだのだった。
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