514:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/09/21(金) 00:07:27.95 ID:voj1VL4DO
少女「……というわけで、その娘は返してもらう」
鬼姫「……というわけで?」
鬼姫がのそりと首を上げる。
涙で濡れ、憔悴した鬼姫の顔が向けられると、少女は静かに眉をひそめた。
少女「……」
アルラウネ「あのね、あのね! この鬼さん、わたしの言葉が分からないみたいなの! ばーかばーか!」
鬼姫「……?」
アルラウネ「ねっ?」
少女「……そう」
無邪気ににっこりと笑うアルラウネに少女はささやくような声で答え、ワンピースの下からすらりと伸びる脚のさらに下、キメ細やかな肌を隠しもしない裸足の指先で軽く地面を蹴った。
すると、それに合わせて少女の身体が緩慢な動きで宙に浮かび上がる。
そのまま少女は鷹揚に宙を舞い、鬼姫の胸の前にアイアンクローで固定されたアルラウネの頭上まで移動してくると、その足裏で、アルラウネの頭を掴む鬼姫の手の甲を踏みつけた。
鬼姫「……っ」
そうすると、たいして威力は無いが反射的に鬼姫が手を開き、アルラウネの束縛が解かれた。
アルラウネ「やったー!」
久方ぶりの地面に、両手を上げて喜ぶアルラウネ。
少女「……てい」
そんな自由になったアルラウネの頭部に、続けざまに少女のカカトがめり込んだ。
アルラウネ「どわっじッ!?」
少女「……反省しなさい」
アルラウネ「え? えっ?」
少女「……」
げしげしげしげし。
アルラウネ「ぴ、ぴーっ!?」
何が何やらわからないという顔をするアルラウネに、少女は無言でげしげしとアルラウネの頭の上で足踏みをする。
なぜか少女の体重はまったく感じられないのだが、連続で頭部を殴打されるのはさすがにたまらず、アルラウネは大きな声で叫んだ。
アルラウネ「わ、わかったの! ごめんなさい! もうしません! ごめんなさーい!」
少女「……わかればよろしい」
反省するアルラウネを見ると少女は満足そうに腕を組み、アルラウネの上から退いて地面にふわりと着地したのだった。
鬼姫「……ところで」
少女「……ん?」
鬼姫「あの船は、お前のものか?」
少女「……はっ!?」
そして鬼姫の言葉を聞き、いまさらながらに事の発端が自分にあることを思い出したように愕然とする少女だった。
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