53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sagd]
2012/05/25(金) 21:58:51.07 ID:9OEyVz1DO
勇者「はっ……はっ……」
……………………
吸血女子『さて、上空のペガサスナイトさんからの映像が届きました。
魔導スクリーンに勇者と獣走者の位置情報を……と、あーこれは……』
人男子「勇者の野郎! 3倍近く距離を離されてやがる!」
馬男子「あんのゴミ虫めが!」
魔王『……』
吸血女子『この絶望的状況でも魔王さんは貝のように口をガッチリと閉じたまま動きません。
その心情を思うに察する所は多々ありますが、何より私のトーク量を水増しして補わなければならない所がツライ所です』
蜥蜴男子「ん? 獣走者が建物に入ったぞ!?」
人男子「インチキか!?」
吸血女子『いえ、インチキではありません。今回は街全体を使ったフルマラソン。
ですがそれは名目だけで、内実は広大なレクリエーションです』
人男子「レクリエーション?」
吸血女子『はい、街全体にあるチェックポイントを巡って、戻って来るのです。
チェックポイントには監察官がいるためインチキは出来ず、また途中のルート設定は自由となっております』
獣男子「待て! それって完全にフルマラソンじゃなくねえか!?」
火霊男子「公共的な広告の機構に訴えてやる!」
吸血女子『なお、この事はランナーにも直前で知らせました。
理由は各自で察してください』
獣男子「……?」
馬男子「どういう事だ?」
人女子「あのー、吸血女子さん?」
吸血女子『はい、人女子さんどうぞ』
人女子「もし、ランナーが馬とかに跳ねられて走れなくなったら終了ですか?」
吸血女子『いえ、走れなくなってもギブアップかリタイアするまで続きます』
人女子「つまり『第三者の妨害工作』があってもマラソンは続くんですね?」
吸血女子『そうですね、チェックポイントの監察官と上空のペガサスナイトから見えない所で不正を働かれたら、さすがに打つ手がありませんね』
人男子「……」
馬男子「……」
獣男子「……」
機械男子「……さて、と」
ゆっくりと、男子たちが重い腰を上げた。
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