過去ログ - フィアンマ「アックアに性的な悪戯をしようと思う。安価が導くままに」
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22: ◆H0UG3c6kjA[saga]
2012/05/27(日) 23:40:28.40 ID:+IeEbhR60

善意と慈愛に満ち溢れた笑顔でフィアンマがアックアに要求したのは、「全裸になれ」と只それだけだった。
僅かに戸惑いの色を見せるアックアの様子を眺め、フィアンマは一層柔らかな笑みを浮かべた。そこに敵意や悪意はないように見える。
手にしているローションボトルを見せて軽く振り、フィアンマはゆっくりと首を傾げた。
人間というものは、一部真実の入り混じった嘘の話をされると、話の大半が真実なのだと思ってしまうように出来ている。
だからこそ、悪意を完全に包み隠した上で善意を装われ『このローションはマッサージの為に用意してきたものであり、服を汚すのは忍びないので、脱いで欲しい』と申し訳なさそうな表情で言われてしまうと、異性でない限り『脱いであげようかな』という気になる。
加えて、『わざわざ自分の為にローションを用意してくれた、目的は労いの為に』と認識してしまえば、まともな神経をしている限り相手の要求に応えてあげようと思ってしまうのが人間である。
そして後方のアックアは、否、ウィリアム=オルウェルは、『神の右席』の中でも最もまともな感覚を持ち合わせている人間だった。
それを踏まえた上で、フィアンマはやや落ち込み気味の表情で再度要求する。
『服を脱げ』『全裸になれ』と。

実用的に鍛え上げられた筋肉を見つつ、その肉体美に彫刻を眺めている様な気分になりながら、フィアンマは欠伸を噛み殺した。
フィアンマの長い説得の中で真実は『ローションを用意した』『脱いで欲しい』と、たったそれだけである。労ってやりたいだの、服を汚すのは忍びないだの、そんな発想は無い。
ただ、騒がれるのが面倒なために交渉という手段に出ただけであって、無理矢理服を引っぺがして尿道を蹂躙するのも充分可能ではあった。
ただ、それをしなかったのは、フィアンマが面倒を嫌う性格だったから、たったそれだけ。

「ッ、…」
「痛みを感じたら言え」 

一応は、という事で、アックアに話した予定通り、フィアンマはまずアックアの背中、及び上半身から丁寧にマッサージを施している。
ぐいぐい、と体重をかけ、自分と比べ体格が倍程あるアックアにマッサージをするフィアンマの様子は、ともすれば父親に乗っかる無邪気な子供の様な、愛らしさというか、この光景を目にしたものを和ませる雰囲気が漂っているのかもしれない。
ただし、フィアンマの目はいつも通り、笑っていないが。

「っは…そろそろやめても、」
「いや、下半身の方が凝るだろう。そう遠慮する事はない。これは俺様の善意だ」

今この瞬間アックアがちらとでも振りかえっていれば、下卑た笑みを浮かべ、親切な人間とは程遠い表情を浮かべるフィアンマの姿を目撃出来たかもしれない。
だが、アックアは振り返る事はなかった。何故か。
滅多に人に奉仕しないどころか人を顎で使い動かないあの傍若無人な右方のフィアンマが、わざわざ自分の為に何かをしてくれているという状況にうっすらとした恩義を抱いていたからだ。
恩義を抱いている人間を疑う事が出来るのは、ある程度感情のねじ曲がっている者だけだ。
しかも、フィアンマは善意と悪意を同時に持ち合わせる事が出来る。
殺したい程憎んでいても、その憎む相手が愛おしくてたまらない、そういった感覚を常に持つ事が出来る。
歪んでいるがために悪意を隠しきる事の出来た優しげなその様相に、アックアは残念ながら騙されてしまった。



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