過去ログ - フィアンマ「アックアに性的な悪戯をしようと思う。安価が導くままに」
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382: ◆H0UG3c6kjA[saga ]
2012/06/08(金) 17:42:38.82 ID:SwFQlLoc0


聖ピエトロ大聖堂で、二人の男が見つめ合っていた。
赤い青年は、簡素な椅子に腰かけたまま。余裕に満ち溢れた表情で。
対して青の男は、武器を構えながら立っていた。苦悶に満ちた表情で。

「思いやりだよ」
「思いやり…?」
「俺様は、悪戯をすると決めていた。ただひたすらにな。まぁ、テッラと垣根帝督は良かったんじゃないか? 実力的にも、『浄化作業』から生き延びる位は出来るだろう」
「……、」
「俺様の悪戯が、性的なものと、かわいらしいもの、それだけで済むと思っていたのか。愚かだな、アックア。お前は本当に愚かしい。いっそ愛おしく感じられる程にな」
「…テッラを追い出し、『神の右席』を壊滅させ、ローマ正教を混乱させるだけには飽き足らず、世界をも壊そうとしているのであるか」
「そうだよ。壊して正す。『悪戯』の意味にも、色々あるだろう。…例えば、もてあそんではならない物をいじったりおもちゃにしたりすること、なんて事も」
「…」
「俺様は世界を救う。その過程において『神の右席』は、俺様を除いて少々邪魔だった。どうせ目的を語ったところで協力は得られんだろうし。楽しく利用させてもらったよ。まるで実力が拮抗した者同士の行うチェスの様だった」
「……」
「足掻いてみるのは結構だが、俺様の邪魔をするならば、殺す事も算段に入っているぞ」
「…最初から、こうなる事を予想していたのであるか」
「いいや、本当はテッラには死んでもらうつもりだった」
「…」
「気が変わったから、こうして追い出した訳だ。果たして死と罪人としての自責の念、どちらがより大きい苦しみを与えたかはわからんが、垣根帝督がどうにか慰めている事だろう」
「………」
「楽しかったぞ、アックア。悪戯とは良いものだな。天の光に満たされた時、既に俺様にはこの瞬間の記憶すら残らんだろうが」
「止める」
「はは、そうか。…ならば、やってみろ」

こくり、と頷いて、フィアンマは右手を振るう。
必殺の右手が振られ、二重聖人はその場に倒れる。

「〜♪」

鼻唄を唄いながら、フィアンマは椅子から立ち上がってゆっくりと歩く。
やがてそっと左手を伸ばし、力なく横たわるアックアの髪を撫でた。
慈しむように、愛でるように、労わるように。

「期待していたのが間違いだったか。……間違いだったようだな」

何に対しての自問自答か、フィアンマはそう呟いて。

「…さて、『プロジェクト=ベツレヘム』の下準備に取り掛かるとしようか。…悪戯の時間は、もう、終わりだ」










おわり


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