過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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2: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:09:57.25 ID:MraeMU1Uo
染め抜かれたような闇の中から、続けざまに、粘つくような液体音が響く。
途中に絶え絶えに混じり合うのは、甘やかな吐息と、嫌悪を孕んだ悲鳴。
嗅ぎなれない生臭い香りが鼻をつき、暗闇の中で行われている行為をそこはかとなしに気づかせた。

だが―――「何」がいるのか。

交響曲のように、いくつもの微かに異なる「音」が重なり合う。
ぐしゅぐしゅ、と何かを泡立て、擦りつけるような音。
ぶちゅぅ、と何かを絞り出すような音。
激しく吸い付くような音、
湿った何かを水音とともに激しく摩擦させる音、
そして、表現の言葉さえ見つからないような、想像さえもできない音。

???「いあっ…ひゃぅぅっ!だ、ダメ……ぇ……!ゆるして、ゆるしてぇぇ……!」

久方ぶりに、この空間に意味ある「言葉」が訪れた。
原始に帰ったかのように、まるで意味のない韻律しか紡がれなかった世界に、再び。

???「ごめんなさ……ひいぃあぁぁぁぁぁ!いぎぃぃぃ!」

謝罪の言葉は、絶叫へと化けた。
直前に聞こえたのは、空気をかき分けるような、細く長い音。
それはもはや、断末摩の悲鳴だった。
果たして、この場で行われているのは、一体何なのか。
吐き気を催すような血の香りは漂っていない。
ただただ生臭く、たまに薄まったアンモニアの匂いが鼻をつくのみ。

―――それだけに、何よりも不気味だった。

???「ごめんなさい!ごめんなさいぃぃぃ!もう、やめ……が、あぁぁぁぁぁ!いやあぁぁぁぁ!!」


???『……いけません。これは、教育なのですから』


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