過去ログ - 真・恋姫無双【凡将伝】その８ -SS速報VIP

過去ログ - 真・恋姫無双【凡将伝】その８

↓ 1- 覧 板 20

950:一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.[saga]
2012/07/21(土) 00:13:01.48 ID:PV8Bbwx1o
「紀家軍より四千を如南防衛に充てる。これは決定である」

美羽様の身柄をピンポイントで奪取しようとした袁胤殿の着眼点は悪くなかった。
故に如南の防備を強化する。当然のこと。

「主将は雷薄。張合は補佐せよ」

紀家の予備戦力を動員して如南を守備させる。雷薄も張合も如南に馴染みもあるし問題ない。
もっとも、クーデター起こしそうな不穏分子はもういないけどね。
ちなみに袁胤殿は首級を確認したものの、その参謀たる許攸は生死不明。まあ、乱戦の中で儚くなったというのが公式見解だ。

ちなみに、援軍に来た孫家の総大将たるシャオはこのまま如南に滞在する。
無論人質、という対外的な名目もある。が、実際はシャオの強い要望によるところが大きい。
まあ、シャオの言うように、美羽様とシャオがいる如南に攻め寄せる勢力があったならば、袁家と孫家が総力をもって殲滅すること請け合いである。

……ああ、ぺんぺん草すら生えないほどに蹂躙してやろうよ。係累までも根絶やしにしてやるさ。

「主よ、お呼びと言うことだが」

星である。此度の乱において最も功績のあった、星である。

「うん、褒美、ほしいものある？」

は？とばかりに小首を傾げる星。やだ、可愛い。

「主よ、意味が分からんのだが」

「いやね、此度の、袁胤の乱において星は功績を挙げたし。信賞必罰これ武家の倣いさね。
　なれば星は美羽様を救ったんだ。栄耀栄華、妥当だろうさね」

「ふむ。ならば、主の寵愛を頂きたい、と言いたいところだが。
　それは過分なほどに頂いておるし、な。　
　主よ、東海帝王を頂きたい」

なんとまあ、図々しい願いであることか。
主君の乗騎を願うとは。例えそれを一時手にしたとは言え。

「そだな。いいよ。存分に、な」

逡巡すらなく、決を下してやる。
星ならば、間違いはないさ。
むしろ。

「頼んだよ、星」

俺の言葉に、星は珍しく頬を上気させて頷いた。
その仕草は楚々としており、痺れたこの身、なにするものぞ。
可憐なその姿に、思う。改めて、思う。

男なら、誰かのために強くなるべし。

歯を食いしばって思う。救えなかった人を。手の届かなかった人たちを。

でも、所詮俺は英雄になんてなれないのだ。
それでも。

「それがどうした！」

俺はそれでも、目指す。平穏を。安寧を。
歯を食いしばって、前に進むのだ。
ああ、恨みに思うならばいつでも俺の前に立ってくれ、むしろ、立ってくれ。

黄巾、宦官、なにするものぞ。

俺は、これで。怒っているんだ。そう、怒っているんだ。
この熱風、必ず報いを味あわせてやる。

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

1002Res/599.36 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ