170:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 23:05:56.42 ID:qQjvGW6F0
まどか「何度繰り返しても抜け出せないのはなんでだろう〜」
さやか「なんでだろう〜」
さやか「二人でいるのに孤独に押しつぶされそうなのはなんでだろう〜」
まどか「なんでだろう〜」
まどか「お腹が空いてるのにご飯が食べられないのなんでだろう〜」
さやか「なんでだろう〜」
まどか「これは本当のお話〜で〜」
まどか「いつまでも助けが来ないの…………」
さやか「…………」
まどか「…………」
まどかさやか「なんでだろう〜!」
その時、私達の間には、目には見えないけれど、確かに新しい絆が生まれていたと思います。
なんだか分かりませんが、急に活力が湧いてきてじっと座っているのが我慢できなくなって、潰れかけた喉なんか気にせず、私達は立ち上がって歌い始めました。
どうしてこの歌だったのかは分かりませんが、楽しかったのでどうでもいいのです。
肩を組んで体を揺らし、ノリノリです。
そういえば、お昼のお弁当のおにぎりを食べたら、歯に海苔が付いてることをほむらちゃんに指摘されて恥ずかしかったことを思い出しました。
まどか「なんでだろう〜!」
さやか「なんでだろう〜!」
まどかさやか「なんでだなんでだろう〜!」
いえ、本当になんでこんなことを思い出したのかは分かりませんけど、楽しかったのでどうでもいいのです。
「君達大丈夫ですか?」
まどかさやか「え?」
楽しかった個室空間は、いつの間にか文明の利器に守られた頑丈な扉が破られて生暖かい風が流れ込む、ちょっと狭い凹み程度になっていました。
壁があったはずのその向こうから、青い制服を着た若い男性が、私達が初めてキュゥべえを見た時の様な表情でこちらを見ていました。
まどか「…………え?」
「通報を受けて来たんですが」
さやか「…………え?」
私達はまだ肩を組んでいました。
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