過去ログ - まどか「魔法少女の短編集」
1- 20
775:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:34:57.32 ID:yCz6151q0
「今朝、中沢君が突然校庭にできた大穴に落ちて全治2か月の怪我をしてしまいました。皆さんもあの穴には近づかないように」

落ちたのはどうやらクラスメイトの中沢らしい。
彼が落ちたことはどうでもよいことだが、なぜ穴ができたのかについては原因はわかっていないらしい。

まさか本当に私が何かしたとでもいうのかしら。

「それから、今日は皆さんに転校生を紹介します。鹿目さん、入ってきてください」

教室に入ってきた彼女を見てざわめきが大きくなる。
私の知らない黄色いリボンで髪を結い、気恥ずかしそうに手を組んでいる。

あぁ、やっと帰ってきてくれた……。

まどか―――

私を救ってくれた、たった一人の、私の友達。

そんな彼女が自己紹介をしている最中、視界の中に異変を感じた。

油のような紫色の液体が廊下の天上から滲み出していた。
誰も気が付かないソレは、世界の色を滲ませ一色に染め上げようとしていく。

まさか、こんなにも早く歪みが生じるとは思ってもいなかったわね。
しかし慌てる必要はない。
この手を一つ、パンと打ち鳴らせばそれで全て解決できるはず。

「…………」

ふと、この手を鳴らすことによって何か予期せぬ出来事が起こるのではないかと感じた。
歪みを矯正するために生じた歪みが、別の形となってこの世に現れているのではないだろうか、と。
破れた紙を貼り直しても破れた傷跡は消えはしないし、糊の皺やテープは形として残ってしまうというように。

液体は浸食を強め、放っておけばまどかを円環の理へ戻そうとするかもしれない。

考える時間はなく、私は手を鳴らした。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
795Res/559.91 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice