785:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:44:38.81 ID:yCz6151q0
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同じ頃、見滝原の小高い丘で一匹の白い獣が街を見下ろしていた。
猫のような耳から垂れる毛には、原理は分からないが金輪がくっついており、チェリーのように赤い瞳は、歪みと瘴気に溢れる空を映している。
「魔獣が現れたけれど、魔法少女たちは学校という教育機関に軟禁されている。しばらくは放置するしかないみたいだ」
この獣の名は通称キュゥべえ、真名をインキュベーターという。
彼らは地球の生命体にあらず、人類の技術では届かない彼方から訪れた、いわゆる宇宙人である。
人類のような感情を持たず、かつて魔法少女を生み出し希望と絶望の相転移から得られるエネルギーを収集していた彼らも、今では暁美ほむらにより細々と魔獣の持つ少量のエネルギーにすがるだけである。
そんなキュゥべえが今、足元から湧き上がった源泉によって吹き飛ばされた。
浮き上がったところを巨大なハンマーで打ち込まれクレーターを作り忍者に撒菱を投げつけられたかと思うと現代に蘇った始祖鳥(ジェラ期に生息した最古の鳥)に捕まり川へ放り出された途端竜巻が発生し風に身を引きちぎられそうになった瞬間マヨネーズを塗られグミとなった鉄橋に不時着する寸前で近くを通りかかった軽トラックの荷台に乗りキャベツと赤ん坊とギタリストに囲まれながら市場へと出荷されたのと同時刻に、どこかで何かが壊れる音がした。
その様子を新たなキュゥべえが見送ったところで、キュゥべえの背中にカブトムシの羽が生えた。
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