790:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:51:46.29 ID:yCz6151q0
「今日は皆さんに、大事なお知らせがあります」
先日不審物が爆発したらしい教室も、何事もなかったかのように元に戻っている。
歪みを直したついでだろうか。
「私、結婚することになりました」
…………なんということだろう。
確実に私のせいだ。
そうでなければ早乙女先生の口からそんな言葉が出てくるはずがないじゃない。
魔法など使っていないのに時が止まっていた生徒たちが、次第に冗談の類でないことを受け入れ始めたのか、一人、また一人と拍手を始めた。
「オメデトウ」という言葉がなぜか抑揚なく聞こえたが、気のせいでしょう。
そうだ、なにも私のせいだと決まったわけではない。
彼女も知らないところで努力をしていたということに違いない。
一応お世話になってきた身でもある。
ここは素直に、担任の些細な幸せくらいならば祈ってあげてもいいわね。
「おめでとうございます」
私は溢れんばかりの拍手を浴びせた。
「…………あ」
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