993:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/23(水) 07:19:42.17 ID:Xpww3lwDO
外から車の急停止する音が時計の針の音を掻き消した
作業服を着た数人の男と白衣を羽織った男が白いワゴン車から慌ただしく出てくる
白衣の男が幾つかの指示の様なものを出した後一人の作業服姿の男が灯りの着いた玄関先に近づきインターホンを鳴らした
しかしドアの向こうからは何の反応も帰ってこず十数秒の時間が過ぎる
それを受け男は振り返り仲間と顔を見合わせ慎重にドアノブに手を伸ばした
べぎゃッ…
何かが砕ける音がして男の腹部に違和感が生じる
「え…?」
見ると白く細い腕がドアを突き破って腹部へと伸びており作業着からは赤い染みがじわじわと広がっていた
「なにこ─」
言い終わるよりも前に男の体は不自然に歪み水風船を割った様に内側から破裂した
玄関先の灯りと街灯に照らされ鮮血の雨が周囲を赤く染める
作業服の男達は何が起きたか全く掴めずにいた
さっきまで仲間の一人がいた今はもう赤黒く染まってしまった玄関先には中心に不自然に穴が開いたドアがあるだけで誰もいない
そのドアがゆっくりと力なく開いていく
暗い玄関には一人の白髪で中性的な顔立ちの少年が項垂れて立っていた
よく見るとその体の至るところには赤黒い何かがこれでもかと付着している
一方通行
虚ろな目で脱け殻のようになってはいるが学園都市level5がそこにいた
ゆらり。と顔を上げる一方通行
作業着の男達に緊張が走り風が彼らの間を不気味に通り抜ける
「…ひっ!」
後方から小さな悲鳴が聞こえた
男達が振り返ると今の今まで玄関にいたはずの一方通行が一番後ろに控えていた白衣の男に右手を伸ばしている
ブチブチゴリュベリャ!
その手が左肩に触れた瞬間その肩から肉の繊維が切れる音と骨が外れる音、そして肩から体が千切れ飛ぶ音が響いた
男の体はそのまま20〜30メートルほど地面を転がりピクリとも動かなくなる
主を失った左手が重力に従いぼとりと地面に落ちた
作業着の男達は目の前で起こった光景を飲み込むことが出来ずにいた
首だけを動かし虚ろな目で一方通行は男達を睨む
本能的な恐怖に刈られ散り散りに逃走を始める男達
それを見て一方通行は無言で足下の左手を拾い上げ目についた一人に向かって投げつける
それだけでその男の頭はショットガンで撃ち抜かれたかのように爆散し残された体は3メートルほど走り前のめりに倒れ込んだ
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