過去ログ - とある一位の鬼隠し
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994:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/23(水) 07:22:32.62 ID:Xpww3lwDO
「あぁ…ば…ば…けも」


玄関の方から震えた声が聞こえ横目でチラリと見る一方通行
そこには完全に腰を抜かして震えている男の姿があった
一方通行はふらふらと玄関に足を進める
それを見て男はさらに怯えだし涙と鼻水と汗で顔をぐしゃぐしゃにさせズボンには染みが広がっていった
そうしてる間にも彼の目の前まで一方通行は迫っている


「待っ…て。違う!君は勘─」


ぐじゃり…


水っぽい何かが潰れる音がした


ワケが分からぬまま男は一方通行の足下を見る
そこには砕けたプリンのようになった赤黒い何かが無惨に散らばっていた
そしてそこには自分の左足首があったはずだった


「───────!!」


声にならない絶叫が夜の静寂に響きわたる
悶え叫ぶ男を一方通行は気にも止めずさらに一歩足を踏み出した

ズシャ

骨が砕ける音と肉が潰れる音がし男の左腰が地面と一体化する


「あ…ぁ…俺の…こ、し…」


うずくまり一体化した土を男は手に取って茫然と呟く
後頭部に一方通行の靴底が静かに運ばれた


ふいに車のエンジンのかかる音が響く
見ると一方通行が先ほどまでいた所の少し先に停められていたワゴン車がものすごい勢いで発進していた


「き…聞いてねぇ!聞いてねぇよ!なんなんだよあの化け物は!?」


アクセルを強く踏み込みサイドミラーに男の目が行く
そこに映る先ほどの化け物は既に豆粒ほどに小さくなっていた


「あは…あははは…助──」


地面をも揺るがす様な轟音が安堵の声を掻き消した
あまりの衝撃に男はフロントガラスに頭から突っ込みそうになる


「クソッ!!電柱か!?こんな時に!」


見ると前方のバンカーはヘの字に折れ曲がっており助手席と後部座席に続く空間は完全に潰れてしまっていた
また車のガラスは全て粉々に砕けておりフロントガラス至っては運転席側に破片が飛び散っている
さらにタイヤは歪み完全にパンクしてしまっていた
車体も歪に曲がっておりドアを開こうともびくともしない
これだけワゴン車は破壊されているのに関わらず運転席の男はガラスによる切り傷ほどしか目立った外傷が無かったのは奇跡だろう


「なんで…」


しかし男の口からは震えた声がこぼれる
信じられないとばかりに砕け散ったフロントガラスの前方を指差し声を張り上げる


「なんでテメェがここにいんだよ!!?」


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