過去ログ - フィアンマ「俺様というものがありながら…」上条「ふ、不幸だー!」
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10: ◆H0UG3c6kjA[saga]
2012/06/03(日) 15:32:32.01 ID:kIYCzVGR0


とりあえず、頭をすっきりさせるべく入浴。
切れかかってたシャンプー(詰め替えの買い置きはあったんだけど面倒臭くて詰めてなかった)が補充されていた上、水垢で何となく汚れてた容器一式とバスルームが綺麗に掃除されてました。
几帳面な性格なのかな、と思いつつ、いやいやここは感謝の念で絆される訳には…と自分に言い聞かせる。
でも逆に考えたら、性別さえ違えば結構上条さんのタイプ(=寮の管理人お姉さんタイプ、年上、綺麗好き、家庭的)な気が…だが、男だ。多分。残念ながら。
ってそうじゃないだろ、いまいち身元不明な不法侵入者だぞ、しっかりしろ上条当麻。

さっさと着替えて風呂場から出ると、フィアンマはベッドに居なかった。
現在、新しく出来た居候さん(=フィアンマ)は台所で絶賛調理中らしい。
どうやらパスタを作っているらしく、とっても良い匂いがしてきます。
多分匂い的にカルボナーラ。律儀なことに卵と生クリームから作ってる。
元々家にあった麺以外の材料はどうしたのかと聞いたら、実費で買いこんできたとの返答。
何か申し訳な…く思う必要はないよな、不法侵入者には変わりないんだし。
そういえば俺何で招いちゃったんだ、警備員に通報した方が良かったんじゃ…いいや、ほら、女の子じゃないって事は逆に考えればただのルームメイト、変な誤解されることも無いだろ。
家事を肩代わりしてくれる人間が出来たと思えば…って、何かこれじゃゲスな男みたいだな…そんな事ないか。
悶々と考えている内に出来上がったらしく、美味しそうなカルボナーラにシーフードサラダ、水の注がれたコップ、フォークがテーブルに並べられていた。

「…」
「あ…ありがとな?」
「…あぁ」

カーペットに直接座る事に抵抗があるのか、フィアンマは立ちつくしたまま微妙な表情で俺の方を見てきた。
とりあえずお礼を言って、座るように促してみる。
床に座るのは慣れていないらしく、やや困惑気味に俺の向かいで胡坐をかいた。
脚が長いからか座高はそんなに高くない。…くそ、羨ましい。

「い…いただきまーす」
「父よ、あなたの慈しみに感謝してこの食事をいただきます。ここに用意された物を祝福し、私達の心と身体を支える糧としてください。……父と、子と、聖霊の御名によって、アーメン」
「……、…」

唐突なお祈りに一瞬固まってしまった。
いや、別に台詞的には十字教っぽかったけど、どこもおかしくなんかないけど、何というか、一瞬家のこの部屋が教会の一部になった様な気がした。
錯覚だよな?
フィアンマは顎下に指を宛がい何やら考え込んだ後、いただきますのポーズを取っている俺の姿を見、割と真面目な表情で首を傾げた。

「……イタダキマス?」
「慣れないなら無理しない方が良いと思うぞ」
「そうか。ならばやめておこう。無理に慣習を合わせる必要もあるまい」

真似をしようか迷ってぱっとやめたフィアンマを見やり、俺も食事を開始する事にした。

何というか、うまく言葉に出来ない位美味い。本当に旨い。
高級レストランのカルボナーラ(食った事ないけど)の様な、且つ家庭料理らしい温かみがあるというか(これは作った本人が目の前に居るからかもしれない)、とにかく美味で仕方が無いのだ。
まぁ、カルボナーラなんてコンビニに売ってるような出来合いのレトルトとか、既製品のソースを温めて茹でたスパゲッティーにぶっかけたの位しか食べた事が無い分、批評出来る程の肥えた舌は持ってないんだけど。
カルボナーラのよそわれた皿の一回り小さい皿によそわれたシーフードサラダも美味しい。
ドレッシングは家にあるもの(百円ショップで売ってる感じのシーザードレッシング)なんだけど、何か下味をつける為に一度炒めてあるシーフード(元は多分スーパーで買ってきたシーフードミックス)とよく冷えたレタスとの相性が良いというか。プチトマトとかも甘くて美味いんだけどさ。
すごく手間がかかってるというのも味わい深い様な…美味いかどうか聞いてこないし(慎み深いのか俺にあんまり興味が無いのか)。
思わず「全部美味い」と感嘆の声を漏らすと、フィアンマは俺の反応に僅かながら照れたのか、そっと目を伏せて食事を進めた。
思ったよりも良い奴なんだな、なんて思いつつ結構な勢いで平らげる。


………しまった、だからフィアンマは不法侵入者なんだよ!気を許しちゃ駄目だろ!


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