過去ログ - ほむら「暇だしごまどかでも虐めようかしら」
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801:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/30(日) 03:08:24.08 ID:14qD54Byo
 
ガサガサ……

男が独り河原いる。
手には軍手を嵌め、短い棒で草むらをかき分けていた。
乱雑に伸びた切っ先の鋭い雑草を足で踏みつけ覗き込む。

「ん〜…… いねぇなぁ……」

どうやら何かを探しているようだ。
眉根を寄せた不機嫌な表情は、中々探し物が見つからないからだろう。

「ふぅ、水辺のほうを探すか?」

曲げていた腰を伸ばし、川辺に視線を向ける。
川は先日降った雨の所為で普段より増水していた。
ぬかるむ足元に気をつけて歩を進める。

バチャバチャ!!

「お、居たか?!」

不意に水面を叩く音が耳に飛び込んできた。
男はやおら表情を明るくし、音のする方向へと急ぐ。

「ホムホムッ! マロカァー!!」

「なんだ…… ほむラッコか……」

「ホムゥ?」

がっくりと肩を落としため息をつく。
どうやら目的とするものではなかったようだ。
ほむラッコは突然現れた人間をみて首をかしげている。
警戒心が薄く、幼い個体のようだ。

「……陽が暮れるまでに見つけないとな」

「ホムッ、ホム!」

暫く見詰め合っていたが、こんなことをしている場合ではないと気が付き男は踵を返した。
背中からほむラッコの呼び止めるような鳴き声が聞こえるが、あえて無視する。

「さて…… 次はどこを探そうか……」

ビッタン、ビチビチ!!

「ん? 今度こそ居たか!?」

何かが跳ね回るような音を思案に暮れる男の耳が捉えた。
そちらの方向に視線を向ける。

「サヤッ、サヤァ……!」

「なんだ…… さやイルカか……」

どうやら先程の音は、川岸でさやイルカがのた打ち回っている音だったようだ。
さやイルカは時折岸に上がり、体を地面にこすり付ける。
それは、寄生虫を落とす行為だといわれている。

「向こうのほうを探すか……」

「アタシッテホントバカ……」グデー

すぐに興味をなくし、男は川沿いに下っていく。
やがてさやイルカが飛び跳ねる音も鳴き声も聞こえなくなる。


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