過去ログ - セイバー「今日もアヴァロンに独りぼっちだ……」
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417:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage 一週間遅れのエイプリルフール saga]
2013/04/07(日) 00:12:25.05 ID:iWGzwdPXo
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冬木警察署の所長室で、ロビンフッドはウンザリしたように自らのマスターに向かって声を掛けた。

「わかってんのか? 赤と黒に別れた陣営、二つの聖杯。こいつは同じ陣営の連中が絶対に信用できるって訳じゃねえ」
「当然だな。例えば赤のサーヴァントが4騎、黒のサーヴァントが2騎となった場合、黒の聖杯には既に5騎分の魂が注がれていることになる。
 ならば黒の陣営としては2騎で協力して4騎に挑むより……」
「味方を後ろからブッ刺した方が、聖杯には近いって訳だ。だっていうのにウチのマスターはさぁ」
「冬木市警察署の署長という立場を戦略に組み込むならば、私の存在を黒の陣営の仲間にあかす必要はあった」

それに少なくともセイバー、ランサー、キャスターのマスターは信用できるように思えると、諒は付け加えた。
尤も、自分の人間観察眼などたかが知れている。小松原に詐術によって弟と妹を彼の実験の被験者にさせてしまった身で何が言えるだろう。
ロビンフッド程の……いや、人に崇められるほどの英霊であるならば、ただの人間より観察眼が優れて当然だ。
自分はただ単にこの緑の外套の青年を信じ切れてないのかも知れない。しかし今更戦い方を変えられない、孤独は諒の隣人より近く、家族より遠かった。

「やれやれ、お人好しのマスターに当たっちまったもんだ。宮仕えの辛さってのはこんなもんなのかね」
「お人好し?」
「あれ? 自覚症状なしですかい?セイバー・ランサー・キャスターを勘定に入れる時点で大分お人好しだと思うんですがね。
 セイバーのマスターはまだ子供だし、ランサーとキャスターはサーヴァントの方が難アリだ」

正直いって、ランサーはマスターの方も一筋縄ではいかない気がする。
車椅子の胸に機械を付けた男は、レジスタンスの頭を張っていたという。それも世界を支配する組織に対抗してたと。
どこまで本当かは知らないが、確かに雰囲気は並ならぬものがある。
自分のマスターも普通の人間ではない。暗い世界で戦ってきた臭いを隠している男だと、ロビンフッドは察している。
だがランサーのマスターはもっと濃い血の臭いがする。

(まぁ、あの狐の方は単に性格が悪いだけだから、最悪我慢すりゃいいだけって事でマシと言えばマシか。
 マスターの方は魔力も戦闘力も高そうだったしな。森羅とかいう組織のエージェントだったか?)

とにかく、できることをする他ない。ロビンフッドは味方の人間の信頼度まで計算に入れながら
キャスタークラス顔負けの陣地作成をこっそり警察署で行っていた。
ムーンセルがつくった仮想現実だというのに、生真面目に仕事をこなしている自分のマスターは
不特定多数の人間が出入りする警察署を陣地化するのにあまり良い顔はしないのだが、否定しない分だけ譲歩の余裕があるマスターだと思える。
プラスマイナスで言えばプラスなのだろうと、ロビンフッドは諦め混じりの溜息を吐いた。
そういう甘い部分が嫌いにはなれない自分に対して。






           ,. 、
         / ̄'フ.ノ 、
       /、   '゙  i                 ――黒の アーチャー
     _,../ fj       |
     {  |         |
      ゝ'_ __     |
       / / ヽー‐'
       /  ,>'゙´ ヽ
      /l く_/´「\ ヽ、
      ノ L...........」|l、|`'i 、 `ヽ、
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