過去ログ - 死にすぎ仕上 と 虹の理后
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18:第一章 王子編「いざ行かん天空の城」 ◆a6qh.01v1w[saga !蒼_res]
2012/06/03(日) 23:21:02.24 ID:ZsEC9t8L0
 


◇b.影から離れる



 そのとき俺は、背筋にいいようのない怖気を感じた。

 類い稀なる勇者としての勘が、危険を告げているのだ。


 俺は踵を返すと、一目散に駆け出した。周りの有象無象が、俺に嘲りの目を向ける。

 勇者として選ばれる事のなかった、哀れな者どもの目…。


 まさしく、俺の勘は正しかった!!恐怖は恥ではない。

 恐怖を知るものだけが、強くなる資格があるのだ。


 未来永劫に天にあり、地に触れることはないと思われた島が。

 魔王の本拠と目される禍々しい島が、今や大地と熱い抱擁を交わしている。


 大地が島の落下の衝撃で、轟音とともに振動する!

 荒野は、島に押しつぶされる者たちで、阿鼻叫喚の巷と化した!


 なんという…なんという無慈悲な所行!!

 俺の中に、魔王に対する新たな怒りが込み上げてきた。





 つづく。



 



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