331:第十二章 王女編「伝説の血族」 ◆a6qh.01v1w[saga !桜_res]
2012/06/09(土) 01:07:46.18 ID:mcLgH+pT0
姫と絹旗は、魔王の館のバルコニーに降りました。
虹の架け橋は、姫が歩き出すと同時に消えていきます。
「たぶん、魔王は超すぐ近くにいるはずです。空気がぴりぴりしてますよ」
絹旗は、辺りを見回しながらいいました。
「うん、城の作りからすれば、王の部屋はあの向こうだね」
姫は、石像の埋め込まれた扉を見ました。
このバルコニーは、城の屋上に立てられた建物の一部です。
半円形のバルコニーは、テスリで囲われています。
金で蔦の象眼が施された、豪華なテスリです。
テスリは丈夫そうです。
建物の壁に設置されたかなり大きな扉には、石像が埋め込まれています。
叩いても、特に変化はありません。
人の姿をしていますが、雄牛のような角と蝙蝠のような羽が付いています。
赤紫色の、なんだか恐ろしげな石像です。
姫はちょっと考えて、アンバーリングをこすってみました。
「もしもし神樹様。聞こえますか?」
「…ひ…よう…魔王…じゃま……じ…」
「なんですかもー、神樹様は超役立たずですねぇ」
「聞こ…るで…きぬ…」「げ、微妙に超聞こえてます」
酷いノイズが掛かっています。
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