過去ログ - ブギーポップ・クロス 〜ネオンライトのガラス玉〜
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◆qXEKQweJllf.
[saga]
2012/10/23(火) 01:17:35.14 ID:mOFiafiZo
「あぁ、もうっ!この大馬鹿ぁあああ!
あったまきた、逆にボコって私の下僕にしてやる!」
「あぁ?希望が、絶望に勝てると思うてんのかぁああああ!」
常人なら触れたその一瞬で気が触れるレベルの大きさの絶望をぶちまける。
「青髪さんってばキッズアニメ見たことないんですか?
希望は……ま、けなぁあああい!」
だが、彼女の希望はその絶望すらも打ち消し、希望へ変えた。
「チッ……」
このまま絶望と希望をぶつけ合うだけではラチがあかないと思い、僕は佐天へと殴りかかる。
「だっから……女の子の顔を狙うなっ!」
しかし、それも簡単によけられ、逆に顔面に拳を貰った。
「うるせぇ!どうせ当たらんってわかってるから全力で狙えるんや!」
「そんな無駄な事するなら『どうせ手に入らないもの』を手に入れる努力しろぉおお!」
また、顔面を殴られた。
「う、るせぇえええええ!」
溢れ続けていた絶望が何時の間にか止まっていた。
僕は僕の中に在る全ての絶望を解き放つ。
――もう、意味わからん。
でも……飛鳥井さん、全部壊すなんて無理なちっぽけな人間だって事は……わかった気がする。
絶望と同時に体の力も全て抜け、僕は仰向けに倒れた。
「はぁ……はぁ……しんど……」
濡れた地面がじっとりと背中に張り付く感覚が気持ち悪かった。
「……青髪さんの世界って佐天さんしかいないんだ……」
絶望も希望も見えない僕ら以外にはただ僕ら二人が殴りっこしていたようにしか見えなかっただろう。
御坂ちゃんがどこかぽかんとした表情でそんな事をつぶやいたのは、よほど僕ら二人が異様に見えたからだと思いたい。
「……」
息を整えながら、目を開けた。
雲の切れ間から顔をのぞかせた太陽は美しく、どこまでも輝いていた。
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