過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」2
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/06/05(火) 01:18:02.41 ID:Awj1Gu8/o

「予想よりもずいぶん早いご到着だな。面倒事はこのババァに押し付けてトンズラ決め込む予定だったんだが」

「いい加減にしておけよ小娘」

 などと言い合う二人――レイヴィニア=バードウェイとエリザードを、無視して話を始める。。

「一体どうやって、こんな大掛かりな仕掛けを施したんだい」

「その発言だと、まるで何が起こったのか大体察しているようだな」

「同じ事例は過去に一度見たことがあるからね。
 規模は違えど、これはさやかのときと同じ現象だ。君達は≪グレゴリオの聖歌隊≫を発動したんだろう?」

 グレゴリオの聖歌隊。
 バチカンにある霊脈と、3333人の祈りを集めて魔術を増幅し、地球の裏側であろうと正確に撃ち抜く強力な魔術。
 正確に言えば、それを応用して発動された一週間ほど前にさやかのソウルジェムを復元した魔術のことだ。
 その際は癒しの魔術に魔導図書館の知識を合わせ、なおかつ幻想殺しを用いて救済した。
 無論、なんの犠牲も無かったわけではないが、この場合はさして問題にならない。

「だけど不思議だ。僕らはこの事態をまったく予想できなかった。
 命令が下れば情報が動き、それに次いで人が動く。時間だって必要になるだろう。
 地球中にいる無数の僕らが、これほど大掛かりな魔術を施しているのに気がつけないはずがないんだけどね」

 ソウルジェムに変換されて、なおかつ絶望によって燃え尽きた魂の残滓を復元する。
 削られた魂を再生することは出来ずとも、元の形に戻す。それに必要な祈りが最低でも3000人以上。

 だが今回の場合は文字通り規模が違う。
 ほむらが至った魔女は、さやかの時のような単純などこにでもいるような魔女ではない。
 まどかには及ばずとも、多量の因果をその身に束ねたとても強力な魔女だ。

 例えその大半を『翼』の方に持って行かれていたとしても、救済するには一筋縄では行かないはずだ。
 最低でも一千万人の祈りが必要になるだろう――と、それがインキュベーターの見立てだった。
 当然ながら、それだけの人間が動けばインキュベーターが気付けないはずがない。
 ならば何故、彼らは気付けなかったのか。

「答えは簡単だよ。今回の術式を施すのにかかった時間はほんの数分だ。
 だから命令なんて下していないし、情報も動いていないので人も動いていない。気付かれないのは当然だ」

 なにをいまさら、と笑ってバードウェイは言った。
 ローラとはまた質の違う、意地の悪い邪悪な笑みだ。



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