過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」2
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(神奈川県)
[saga]
2012/06/05(火) 01:20:21.60 ID:Awj1Gu8/o
かくして、舞台は灰色の結界に戻る。
「そういうわけだから、君達の念願は叶ったわけだよ。
後はもう、残った魔女の欠片を倒しておしまいだ。本当におめでとう」
そう言うキュゥべぇの姿を見ながら、ほむらはありえない、と首を振った。
なまじ魔法少女でいる期間が長すぎただけに、そんな救いのある結末を彼女は許容できなかった。
素晴らしいことだとは思う。手放しで喜びたい気持ちでもある。だが、信じられない。
「……大事なのは、きっかけだったんじゃないかな」
まどかの呟きに、ほむらは静かに顔を背けた。
きっかけがあれば、あるいは結末は、もっと違う物になったのかもしれない。
では、彼女達はどうなる。自分が奪った、罪の無い少女達が集まった呪いは。
上空で輝く天使と激闘を繰り広げているありえたかもしれない自分達は。
彼女達を倒して、否定して、それで終わりなんて、そんな……
「……ありえない状況から復活出来ただけありがたいだろうが。君は高望みしすぎだ」
背中から低い声が聞こえて、ほむらはまどかと共に後ろを振り返った。
そこには黒の法衣を真っ赤な血で染め上げた、身長2メートルの神父――ステイル=マグヌスが立っていた。
いや、立っていたというのは正確ではない。隆起した大地に右手で掴まりながら浮かんでいた。
よく見ると、服の腹の辺りが大きく食い破られたかのように引き裂かれている。
「ステイル君、大丈夫なの!?」
「君達に向けられた祈りのおこぼれを貰ってね。血が足りないから、すぐに気絶するだろうが……それよりもほむら」
ステイルに見つめられて、ほむらは無意識の内に萎縮した。
彼の言葉は正論だ。望みすぎだ。甘えすぎだ。だから責められるのは当然なのだ。
だが、ステイルはわずかに息を吐いて、懐から一つの宝石――どす黒く濁ったグリーフシードを取り出して見せた。
「……声が聴こえたよ。巴マミの声がね」
――え?
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