過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」2
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(神奈川県)
[saga]
2012/06/07(木) 01:08:44.80 ID:jiMDkYtfo
二人は顔を見合わせて頷き、そろそろと顔を元の位置に戻す。
と、空間が揺らいだ。
少女の姿がほんの僅かに、それこそ振るいテレビ画面のように『ぶれた』。
まどかは自分でも気付かぬうちに手を伸ばしていた。
少女との間に広がる距離は五メートルあるかないか。伸ばしたところでその手が届くはずもない。
そう気付いた辺りで、まどかは目を丸くした。
すぐ目と鼻の先。手を伸ばしたその先に、少女の姿が移動していた。
――いや、もしかすると彼女は最初からそこにいたのかもしれない。
ただまどかとほむらには認識できなかっただけで、ずっと昔からすぐそばで見守ってくれていたのだろうか。
実体があるかどうかさえ怪しい少女が、伸ばされたまどかの手に己の手を重ねた。
「……あっ」
心に浮かんだ驚きに、思わず声が漏れた
白いレースの生地はすり抜けることなく確かに彼女の右手に触れたのだ。
レース越しに、太陽に手をかざした時に得られるどうしようもなく安心のできる温もりが伝わってくる。
「あなたは……」
少女はそっと微笑んだ。微笑んで、優しくかぶりを振った。
その身に纏う、白い衣装から放たれる光を受けて、わずかに白がかって見えるピンクの髪が宙を舞う。
『ちゃんとした形で『私』と会うのは、これが初めてだよね』
――あぁ。
少女の唇の動きに合わして届いた言葉は、けれども空気を震わすことで発せられた音とは違っていて。
キュゥべぇたちと同じ、心の中に直接響き渡るもので。
目の前にいるのに、彼女はとても遠い場所にいるのだと実感する。
まどかはどこか寂しさを覚えながら頷いた。
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