1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:24:24.77 ID:jUbRzHHAO
それは、いつもと変わらない日の筈だった。
いつも通りの休日で、
いつも通りの日常で、
いつも通りの……
唯「ふあ〜……ん〜っ!」
休日の昼下がり、私はベッドの上で思いきり伸びを堪能する。
唯「幸せ〜」
この微睡み(まどろ)の中、ベッドの上でごろごろするのはとても贅沢なことだと思う。
いつ寝てもこのやわらか〜い布団が受け止めてくれる。
季節は冬、こんな寒い時にそのまま寝たら風邪引いちゃうって?
チッチッチ、甘い甘い。
私には本当に良くできすぎた妹がいるのだよ諸君!
唯「だからぁ〜このまま寝てもきっと憂が毛布掛けてくれるから心配なくごろごろ出来るも〜ん」
唯「暖房つけっぱなしでも何のその!」
唯「持つべきものは妹だね〜……」
唯「……Zzz」
ガチャリ
憂「……」
憂「オネェチャン、確認」
憂「ソウジキ用スイコミング、起動」
憂「開始まで、5.4.3.2.1....」
憂「開始」
ずぅぅぅううううう
ぽんっ
唯「ん〜……」
憂「オネェチャン、吸い込みます。オネェチャン、吸い込みます」
唯「もぺっ」
ギー太〜そんなにほっぺたに吸い付いたら駄目だよぉ〜。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:26:51.29 ID:jUbRzHHAO
唯「ん〜……ばにこべ(なにこれ)?」
憂「オネェチャン、吸収。オネェチャン、吸収」
唯「う゛、う゛い(う、うい)?! なにやっでりの(なにやってるの)?!」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:29:19.99 ID:jUbRzHHAO
唯「この声は!」
憂「!?」
ガシャアアアアンッ
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:30:49.37 ID:jUbRzHHAO
梓「話は後です! とりあえずあの憂は偽物なんです!」
唯「にせもの? そんなわけないよ! 私が憂を見間違えるわけ……」
憂「オネエチャン、捕獲。オネエチャン、捕獲」ガシャンガシャン
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:35:49.07 ID:jUbRzHHAO
あずにゃんに手を引かれながら階段を荒々しく駆け降りる。
まるでわざわざ起こしに来てくれた幼なじみみたいだね、なんて少し思ったり。
梓「くっ……!」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:37:21.29 ID:jUbRzHHAO
梓「落ち着いてください唯先輩。今から私が何とかします」
唯「何とかって……。そうじゃなくて何で憂がこんなにいるの!?」
梓「それは……終わってから説明します。安心してください。さっきも言いましたけどこれは憂じゃありませんから」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:45:53.26 ID:jUbRzHHAO
少しだけ表情が和らいだと思った途端、それはさっきより険しいものに変化する。
梓「少し下がっててください、唯先輩」
事態はさっぱり飲み込めないが、信じると決めた以上あずにゃんの言うことに従おう。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:47:35.83 ID:jUbRzHHAO
そんなツッコミも虚しくあずにゃんは更に様々な動きを繕う。
正直意図は全くわからないけど……何か必要なことなのだろうとただ見守る。
梓「……」クルルンッシュタッ!
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:51:34.13 ID:jUbRzHHAO
車(トラック)のおもちゃを持っている憂があずにゃんに向かって突撃する。
憂「1速 N 4速。アクセル全開、吹き飛ばしマス」
二人の距離が一気に近づく、それでもあずにゃんは動かない。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:57:47.52 ID:jUbRzHHAO
梓「シッ……」
そのオタマを華麗に蹴り飛ばす。しかし更にもう一人の憂があずにゃんとの距離を詰め、手に持っている我が家の猛者(布団)達を従えた洗濯叩きを振り下ろそうと──
唯「今度こそ危ないっ! あずにゃん!」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 21:59:07.80 ID:jUbRzHHAO
憂「っ……!」
最後の憂が咳を切らした様にあずにゃんに向かって来る。
梓「……」ボソボソ
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:01:09.29 ID:jUbRzHHAO
気づけば一分足らずで三人の憂は機能を停止させていた。
でも正直いい感じはしない……言葉はあやふやでも見た目はちゃんと憂……(に似てる?)なのに。
あずにゃんは憂じゃないから大丈夫って言ってたけど…。
梓「上のが来る前に行きましょう唯先輩。掃除のはちょっと厄介なので」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:02:39.76 ID:jUbRzHHAO
唯「待ってよぉ〜あずにゃ〜ん」
スタスタと先を歩いて行くあずにゃんを追い縋る。
梓「……」ピタッ
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:05:26.60 ID:jUbRzHHAO
梓「……」スタスタ…
唯「あっ、待ってよあずにゃ〜ん!」
────
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:08:48.01 ID:jUbRzHHAO
梓「それがこの街……いや、もしかしたら……」
唯「世界妹計画?」
ニュアンスからだと何だかみんな幸せになれそうな計画みたいだけど……。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:10:40.59 ID:jUbRzHHAO
右は拳の部分になにやら仰々しい鉄の塊がついている。
私の見たことがある中では、めりけんが一番近いだろうか。
問題は左手。右と同じように黒のグローブがあずにゃんの手を被ってはいるが右手の様な攻撃性はない。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:16:11.00 ID:jUbRzHHAO
唯「それって悪いことなの?」
梓「表面上は……そうは思いませんよね。私も思いました、けど……」
あずにゃんは少し迷った後、その口から……
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:17:27.89 ID:jUbRzHHAO
唯「憂が……なんで?」
梓「私にもそれはわかりません。ただ今はその世界妹計画を止める為に私は動いてます」
唯「あずにゃんはどうして……誰から聞いたの?」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:18:59.98 ID:jUbRzHHAO
そう言いながら左腕の裾を捲りそれを見せるあずにゃん。
さっき私が気になっていたあの端末だ。
その前に気になることが一つ……。
唯「多分って…?」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:26:36.80 ID:jUbRzHHAO
梓「私が三日後から来たと言うことがわかったのは色々な要因がありますが……一番はこのチェンジャーですかね」
唯「チェンジャー?」
梓「この機械の名前……だったと思います。これの二番目のところを見てください」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage]
2012/06/07(木) 22:30:20.55 ID:jUbRzHHAO
あずにゃんが見るように促した二番目のディスプレイには259,200という数字が表示されていた。
唯「これがどうかしたの?」
梓「こっちは止まってるのにこの下のは動いてますよね?」
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