過去ログ - オッレルス「安価でフィアンマの苗木を育てようと思う」
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566:『空港にて』  ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/07/01(日) 20:42:18.67 ID:1enSDGAR0

飛行機に乗ったオッレルス家の三人は無事空港へと到着しました。
後はバスへ乗ってホテルの近くに行けば良いだけです。
オッレルスさんは苗木フィアンマさんが後ろから着いてきていたため特に何も言わず、さて行こうと声をかけるべく振り返った瞬間、苗木フィアンマさんが居ない事に気が付きました。


オッレルス「…シルビア」

シルビア「何? 時差ボケで辛いの?」

オッレルス「それならどれだけ良いか。フィアンマが居ないんだ」

シルビア「アンタ、ちゃんと手繋いでおかなかったの!?」

オッレルス「幾ら何でもそこまで過保護にしなくても大丈夫かと思ったんだ…」

シルビア「たかがサンタクロースがプレゼント寄越す寄越さないで泣く子がしっかりしてる訳ないでしょうが!」

オッレルス「捜さないと…危険に晒される前に」


そんなおろおろとする両親の心配が的中した形で、苗木フィアンマさんは気付けば人身売買組織の男の人の隣に座っていました。


男(労働力として売れば、まぁはした金位にゃなるだろ。ちょいと精神がガキっつーか障害持ちっぽいのは否めないが)


ちら、と男が苗木フィアンマさんを見遣ると、苗木フィアンマさんはじっと男を見上げながら首を傾げています。
男はやや脅迫するような低い声を出しました。
泣き叫ばれても困るので、完全に怯えさせる事で黙らせようと考えたのです。
そんな悪しき考えを知ってか知らずか、苗木フィアンマさんは純粋に心配そうな表情を浮かべました。


男「…何だい?」

フィアンマ「…目の下に隈がある。寝不足なのか」


ぺた、と男の頬に『右手』で触り、苗木フィアンマさんは二言口の中で呟きました。
すると、眼精疲労で痛みを発していた男の目元が和らぎ、痛みが消え去ります。
自分を怖がるどころか(原理はわからないものの)手当てをして柔らかな笑みを浮かべる無邪気な苗木フィアンマさんに、救われた男は思います。


男(ダメだ、コイツは売っちゃならねえ…!)


思い、本来であればこのまま予定通り薬品を部下が持ってきたら気絶させて運ぼうと考えていたその予定を自ら崩し、男は苗木フィアンマさんを解放する事に決めました。
数度頭を撫で、目の痛みを癒してくれたお礼を言うと、苗木フィアンマさんにアイスクリームを買ってあげた上で、男は何事も無かったかのように去っていきました。

結局、オッレルスさんとシルビアさんが苗木フィアンマさんを発見したのは、はぐれて一時間後の事です。

オッレルス「…居た。良かった」

シルビア「何やって…って、何そのアイス」

フィアンマ「? 目元を治した礼に買ってもらった」

オッレルス(という事は誰かと一緒に居たという訳か…)

オッレルス「…ひとまず、無事で良かった」

フィアンマ「?」



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