過去ログ - オッレルス「安価でフィアンマの苗木を育てようと思う」
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717: ◆2/3UkhVg4u1D[saga  !orz_res]
2012/07/19(木) 19:35:44.28 ID:y4EvW68q0


血まみれの魔方陣の中、最初に誰かに撫でられた事を思い出す。
自分によく似た、違う世界の誰かだった。
赤い髪は長く、身に纏う装束も赤く、全身を染め上げる血液も真っ赤だった。
色んなものを組み合わせたようなお城の中で、その人は何度も俺様の頭を撫でた。

『俺様は、学べなかった事を、』

遠くに、走っていく黒髪の人が見えた。
上条当麻、だったかな。幻想殺し、だったか。
曖昧であやふやな記憶の中、赤い人は俺様の頭を撫でる。

『お前に、託す。"異界反転"の中で、』

城の中がぐらりと揺れた。
寂しそうな顔をして、俺様によく似たその人は笑う。

『俺様の分まで、幸福になってくれ』

「…うん」

目を瞑って、ぐらりと身体の芯が揺れた。
気付けば、知らない場所に居た。
一人ぼっちだった。
寂しい。

『…君、名前は?』

『…ふぃあんま』

『…親は居るのか?』

『…』

『なら、此処で会ったのも何かの縁だ。私の名前はオッレルス。良かったら、一緒においで。昨日まで子供達が居たのだが…今や男一人の寂しいアパート、それで良ければ』

『…』

約束は守ったぞ。
俺様は今、幸福なのだから。



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