47: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:29:50.00 ID:bzATqBdvo
「でも……」
思わず口ごもった。相談するのが嫌なわけじゃない。
なんとなくみんなに悪い気がしてしまったから。
48: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:30:39.56 ID:bzATqBdvo
――――――――――――――――
「……ん」
薄目を開き最初に飛び込んできたのは、ピンク色のカーテンだった。
49: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:31:44.80 ID:bzATqBdvo
「風子やっと起きたわね」
「わぁっ!」
急に話しかけられ心臓が高鳴ったが、すぐに英子ちゃんだとわかった。
50: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:32:17.75 ID:bzATqBdvo
「ありがとう、私恵まれてるね」
「何かあったの? 風子」
「ううん、何でも」
51: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:33:27.42 ID:bzATqBdvo
「もう平気」
「風子、あんまり無理しないでね」
私は笑顔を作り少し強がって見せた。もう大丈夫、心配要らないよと。
52: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:34:44.17 ID:bzATqBdvo
――――――――――――――――
『三年二組高橋風子さん、進路指導室まで来て下さい』
弁当を食べたあと数人で談笑していると、
53: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:35:21.61 ID:bzATqBdvo
「先生、どういった話でしょうか? あまり身に覚えが無いんですけど」
「進路の話じゃないの、飴なめる?」
そう言って飴が三個差し出された。
54: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:36:00.25 ID:bzATqBdvo
「それがね、違うのよ。ケガして地上に降りるとき、
他の鳥が付き添ってあげるんですって。
意外でしょう?
自然って厳しいと思ってたけどそうでもないみたい」
55: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:36:52.16 ID:bzATqBdvo
――なんで、先生も和ちゃんもなっちゃんも英子ちゃんも。
「どうしてですか! なんでみんな優しくしてくれるんですか!」
行き場の無い感情が口をついて出た。
56: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:37:27.05 ID:bzATqBdvo
「聞いて高橋さん」
「……聞いてます」
母親になだめられる子どもの様で、自分が惨めに思えてきた。
57: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 21:38:18.52 ID:bzATqBdvo
「一つだけお願い。
あなたが大人になって強くなっても、優しいままでいて欲しいの。
本当に強い人っていうのは優しさも持ってるはずだから」
「でも私……、どうすれば強く、どうすれば大人になれますか?」
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