過去ログ - 風子「風待ち鳥は空を見ていた」
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85: ◆I38.07w0MY[sage saga]
2012/06/09(土) 22:26:20.80 ID:bzATqBdvo
 間奏の部分で唯ちゃんと梓ちゃんが向かい合い、お互いの演奏を見合う。
 二本のギターが音を奏で、特別な音色を作り出した。

 不意に音の数が減り、唯ちゃんの優しい歌声が強調される。
 同時に奏でられるのは琴吹さんのキーボード。
 続いてギターの旋律が合流する。

 数秒後、急に音が爆発した。
 それに押し出されるように、
 唯ちゃんがステージから躍り出て私たちと同じ高さに立つ。

 演奏はまだ終わらない。
 さらに盛り上がって、曲は最高潮を迎える。

 唯ちゃんの歌声が伸びる、演奏が続く。
 いつの間にか山中先生と堀込先生も教室に入っている。
 堀込先生は演奏を止めに来たんだろう、でもそれは無理な話だ。

 いつか先生に聞いた『無敵』という言葉が思い浮かんだ。
 今ここに居る私たちというのは、それに近いのではないだろうか。
 軽音部のみんなは輝いて見えるし、観客である私たちも空間の一部だ。

 もう奇跡としか言いようがなかった。
 そして、それを成し遂げたのが私たちだということ。
 今日のライブを一生忘れることはないだろう。

 気付けば目元には雫がたまり、あふれ出して頬を濡らしている。
 私には、それが汗なのか涙なのかわからなかった。



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