9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/06/12(火) 11:12:24.96 ID:pZ0kk8uso
P「夢の中だもの。
さて。俺はここで止まっているから二本目の松まで行ってくれないか」
貴音「はい」
言われて女は松に向けて走り出しました。
すねの中ほどまでが埋まる雪を味わうように。長い髪が揺れました。
女がすっきりと立つ傍らで松がのたうつ有り様は、
夢の中といってもなお戸惑いを与えるものでした。
P「すぐそばにいる貴音にもかすんで、ねじけて見えるのかな?」
貴音「はい」
P「そこで待ってて。今度は俺がそっちに行く」
そう言うと、男はその松を見ながら近づきました。
距離が縮まるにつれて松のかすれは大きくなり、苦しげにも見え、
ひときわ震えると堅固で重厚なひき肌に姿を変えました。
P「つまり」
男はつぶやき、女は名残惜しげに松の肌を撫でていました。
P「俺の近くにあるものは姿を変えるんだな。
ここは雪歩の夢だ。
けれど、あの子は俺の周りだけ俺に合わせている」
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