過去ログ - P「つまり、夢の中か」
1- 20
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/06/12(火) 11:12:24.96 ID:pZ0kk8uso

P「夢の中だもの。
 さて。俺はここで止まっているから二本目の松まで行ってくれないか」
 
貴音「はい」

 言われて女は松に向けて走り出しました。
 すねの中ほどまでが埋まる雪を味わうように。長い髪が揺れました。
 
 女がすっきりと立つ傍らで松がのたうつ有り様は、
 夢の中といってもなお戸惑いを与えるものでした。

P「すぐそばにいる貴音にもかすんで、ねじけて見えるのかな?」

貴音「はい」

P「そこで待ってて。今度は俺がそっちに行く」

 そう言うと、男はその松を見ながら近づきました。
 距離が縮まるにつれて松のかすれは大きくなり、苦しげにも見え、
 ひときわ震えると堅固で重厚なひき肌に姿を変えました。
 
P「つまり」

 男はつぶやき、女は名残惜しげに松の肌を撫でていました。
 
P「俺の近くにあるものは姿を変えるんだな。
 ここは雪歩の夢だ。
 けれど、あの子は俺の周りだけ俺に合わせている」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
40Res/23.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice