過去ログ - 垣根「そんな垣根は飛び越えてやる」
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132: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:16:05.04 ID:zFD/brQu0
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133: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:17:11.35 ID:zFD/brQu0
両頬に手を当てて顔をそむけた病理の顔を覗き込むと、その表情は普段通りの笑みを浮かべていた。
無表情なのではなく、これが病理のデフォルトの顔なのだ。
つまりは、病理は全く照れていない、と言うわけだ。
134: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:17:58.30 ID:zFD/brQu0
「じゃあこうしましょう。私の事は病理と呼んでください。私は貴方をていとくんと呼びますから」
「何だその舐めきった呼称はオイコラ、後質問に答えろ」
「何ですか、女性からのお誘いに文句をつけるなんて男らしくないですね」
135: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:18:50.77 ID:zFD/brQu0
その間際、病理は振り向かずに静かに呟いた。
「とっても面白いお話があったんですけどね。おそらく、学園都市の住人では帝督が最も得するお話です」
136: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:19:42.74 ID:zFD/brQu0
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137: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:20:11.03 ID:zFD/brQu0
かしこまりましたー、と店員の適当な返事を聞き流し、垣根は向かいに座っている病理に目を向ける。
病理は『お客様への簡単なアンケート』という紙を真剣な眼差しで見つめている。
「こういうのって、要望を書けばちゃんと反映されるんでしょうか」
138: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:20:44.80 ID:zFD/brQu0
「……で、結局テメェのさっき言ってた面白い話ってのは何なんだ」
「ええ、ちゃんとお話ししますよ。焦らしプレイは私も好きではありません。何事も早期決着が基本ですしね」
「お前野球とかサッカーとか嫌いだろ」
139: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:21:17.56 ID:zFD/brQu0
「『未元物質』はこの世に存在しない素粒子を何処からか引きずりだし、操る能力です。存在しないはずの素粒子に触れたこの世の法則はねじ曲がり、本来ありえない新たな法則の元に動き始める」
「……だから何だ。『未元物質』についてこの世で最も熟知してるのは俺だぞ、今さらそんな講釈語られた所でどうしたって話なんだが」
「この時点で、帝督は明らかに特別な能力を得ているのですよ? 考えてもみてください、『メインプラン』たる第一位の能力にはおそらく何か隠されているものがあるのでしょうが、乱暴な言い方をすれば念動力のジャンルに分類されるでしょう」
140: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:21:54.56 ID:zFD/brQu0
「……おいおい、確かに俺の『未元物質』は常識の通用しねぇ能力だ。だがこの能力の目覚めは腐るほどいる他の能力者と同じように頭を弄られ『自分だけの現実』を観測できるようになってからだぞ?
「学園都市の開発によって発現する超能力はその人の『自分だけの現実』に影響されます。帝督の『未元物質』は木原の目から見ても明らかに学園都市の科学とは別種なんですよ。科学によって開発された自分だけの現実から発生するとは思えないアンノウン、それが未元物質です」
141: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:22:28.77 ID:zFD/brQu0
142: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/26(火) 11:22:57.53 ID:zFD/brQu0
「……魔術」
科学サイドの垣根でも、その言葉がいったいどういう物を指すのかはわかる。
が、あくまでそれはフィクションの世界の産物であり、今の時代に大きな鍋で薬草やらキノコやらをぐるぐるかき混ぜながら煮て作る秘薬なんてものは実在しない。
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