過去ログ - 垣根「そんな垣根は飛び越えてやる」
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42: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 01:50:52.65 ID:+yvPNbwX0
垣 根帝督と御坂美琴が出会ってから一か月ほど経過したある日の事、垣根は自分が使っているアジトの内の一つに居た。
 靴を履いたままベッドに横になり、イライラとした様子を隠そうともせず、冷蔵庫の中から取り出した高級な酒をボトルから直接飲んでいる。


「一気飲みは体に悪いわよ?」
以下略



43: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 01:51:35.26 ID:+yvPNbwX0
 大人びた印象の赤いドレスを身に纏った、十四歳ほどの少女だった。
 年相応の可愛らしさのある顔立ちだったが、あどけなさと妖艶さの入り混じる独特の雰囲気は何処か危険な香りを匂わせている。
 それは、普通の中学生が出せるような雰囲気ではではなかった。
 が、それも当然と言える。
 彼女もこの歳にして学園都市の闇を渡り歩いて来た猛者なのだから。
以下略



44: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 01:52:28.43 ID:+yvPNbwX0
 彼女の能力は人間と人間の『心の距離』を自在に操る事が出来る、という物だ。
 たとえば、初めて会った相手と何よりも強固な信頼関係を築いたり、親友だった相手の中から自分に対して抱く感情をゼロにすることもできる。
 心と心の距離を測るばかりか、その距離を自由自在に変えてしまう能力。
 本来、長年にわたって築いていく他者への感情の積み重ねを、一瞬で崩すことも覆すこともできる。
 彼女にとって人が人に抱く感情など、足の指が当たっただけでデータが吹き飛んでしまうレトロゲーム並みに脆弱な物なのだ。
以下略



45: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 01:55:01.37 ID:+yvPNbwX0

「何言っているのよ、私が心配しないで誰があなたの心配をするというの?」

「俺の母親もしくは恋人気取りか? 反吐が出る」

以下略



46: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 01:58:27.29 ID:+yvPNbwX0
 が、垣根の中に溜まったフラストレーションはあまり発散されていなかった。


「やっぱり、裏切るってのは許しがたい行為なんだろうな。今度機会があれば俺も敵を脅して裏切らせてみようか」

以下略



47: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 01:59:29.76 ID:+yvPNbwX0
 クスクスと小悪魔的微笑みを浮かべる心理定規と、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる垣根。
 どうやらほんの少しだけだが、苛立ちは解消されたらしい。
 軽口の応酬で多少マシになるのだから、実の所垣根はあまり本気で怒っているわけでもなかったようだ。
 最も、心理定規はその能力が示す通り、心についてのスペシャリストでもある。
 能力を使わずとも、多少は人心を掴む方法を心得ているのだ。
以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/06/15(金) 01:59:51.66 ID:f7YydNGSO
あらすじワロタWWW



そして病理さん出ないとか…川ort


49: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:00:37.05 ID:+yvPNbwX0
 スクールという組織名をつけたのは何処のバカだったか、ああ、そういや電話主の野郎だったな、と垣根は一人で思いだしややブルーな気分に浸っていた。
 心理定規は自身の健康的な色をした爪に、丁寧にマニキュアを塗っている。
 やがて塗り終わると、ふーふーと息を吹きかけ簡単に乾かし、続いて携帯を取り出して何やら画面を操作し始めた。


以下略



50: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:01:59.47 ID:+yvPNbwX0
「その顔すげぇムカつく……つーか、テメェみたいなお子様体型に俺が欲情するわけねぇだろ」


 はっ、と馬鹿にしたような顔を垣根は心理定規に返す。
 心理定規も心理定規で、冗談を言っただけであり垣根の軽口など適当に流してしまえばよかったのだが、どうも彼女は彼女で垣根の相手をしている時はやや年相応の感情が出てしまうらしい。
以下略



51: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:02:50.66 ID:+yvPNbwX0
「この前、偶然見たのよ。今度料理を作ってくれるとか言ってたみたいだけど、もうそんな関係なわけ? ……なんだか、さびしい気持ちになるわね。アナタは顔は良いから女友達とか女性の知り合いは多いけれど、結局深い関係になる女性は一人ももいない、みたいなタイプだと思ってたのに」

「何だそのふざけきった考察はオイコラ。……つーか、マジであの女はそういうんじゃねぇよ。オマエ、あの女の本性を知ったらドン引きだぞ」

「ま、そういう事にしておいてあげる。……うーん、でも、なんだかなぁ」
以下略



52: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:03:42.42 ID:+yvPNbwX0
 超能力を支える最も重要な存在、自分だけの現実【パーソナルリアリティ】
 垣根のそれはレベル5第二位の称号に相応しく、並大抵の事では掌握されるどころか、揺るぎすらしないのだ。
 垣根の自分だけの現実を上回り、垣根の精神や能力に干渉する事が出来る能力者は、現在の所存在しない。今のところは。
 したがって、心理定規の能力では垣根との距離を知る事も、距離を操作することも出来ないのだ。
 
以下略



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