過去ログ - 垣根「そんな垣根は飛び越えてやる」
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47: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 01:59:29.76 ID:+yvPNbwX0
クスクスと小悪魔的微笑みを浮かべる心理定規と、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる垣根。
どうやらほんの少しだけだが、苛立ちは解消されたらしい。
軽口の応酬で多少マシになるのだから、実の所垣根はあまり本気で怒っているわけでもなかったようだ。
最も、心理定規はその能力が示す通り、心についてのスペシャリストでもある。
能力を使わずとも、多少は人心を掴む方法を心得ているのだ。
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/06/15(金) 01:59:51.66 ID:f7YydNGSO
あらすじワロタWWW
そして病理さん出ないとか…川ort
49: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:00:37.05 ID:+yvPNbwX0
スクールという組織名をつけたのは何処のバカだったか、ああ、そういや電話主の野郎だったな、と垣根は一人で思いだしややブルーな気分に浸っていた。
心理定規は自身の健康的な色をした爪に、丁寧にマニキュアを塗っている。
やがて塗り終わると、ふーふーと息を吹きかけ簡単に乾かし、続いて携帯を取り出して何やら画面を操作し始めた。
50: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:01:59.47 ID:+yvPNbwX0
「その顔すげぇムカつく……つーか、テメェみたいなお子様体型に俺が欲情するわけねぇだろ」
はっ、と馬鹿にしたような顔を垣根は心理定規に返す。
心理定規も心理定規で、冗談を言っただけであり垣根の軽口など適当に流してしまえばよかったのだが、どうも彼女は彼女で垣根の相手をしている時はやや年相応の感情が出てしまうらしい。
51: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:02:50.66 ID:+yvPNbwX0
「この前、偶然見たのよ。今度料理を作ってくれるとか言ってたみたいだけど、もうそんな関係なわけ? ……なんだか、さびしい気持ちになるわね。アナタは顔は良いから女友達とか女性の知り合いは多いけれど、結局深い関係になる女性は一人ももいない、みたいなタイプだと思ってたのに」
「何だそのふざけきった考察はオイコラ。……つーか、マジであの女はそういうんじゃねぇよ。オマエ、あの女の本性を知ったらドン引きだぞ」
「ま、そういう事にしておいてあげる。……うーん、でも、なんだかなぁ」
52: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:03:42.42 ID:+yvPNbwX0
超能力を支える最も重要な存在、自分だけの現実【パーソナルリアリティ】
垣根のそれはレベル5第二位の称号に相応しく、並大抵の事では掌握されるどころか、揺るぎすらしないのだ。
垣根の自分だけの現実を上回り、垣根の精神や能力に干渉する事が出来る能力者は、現在の所存在しない。今のところは。
したがって、心理定規の能力では垣根との距離を知る事も、距離を操作することも出来ないのだ。
53: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:05:27.83 ID:+yvPNbwX0
「……どうだろうな」
垣根は肯定も否定もしなかった。
心理定規以外の女がこのような事を言えば、垣根はすぐにでも否定したかもしれない。
54: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:07:59.40 ID:+yvPNbwX0
自分に刃向かったり、邪魔をしたりする者には一切の容赦しない垣根だが、彼はある程度フェミニスト的な一面を持っている。
一般人は極力巻き込まないと固く誓っているわけではないが、ある程度見逃したり気を回す程度の事は垣根にも出来るのだ。
「……わかった、面倒くせぇ。好きに呼べ」
55: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:10:33.17 ID:+yvPNbwX0
「じゃあせっかくだし、これから一緒にご飯でも食べに行かない? 最近煮込みハンバーグの美味しいお店を見つけたのよ。」
「何で俺がテメェと仲良く飯食わなきゃならねぇんだよ……」
56: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:12:39.01 ID:+yvPNbwX0
ねーねー、と心理定規は甘えた声を出しながら垣根の袖を引っ張ったり、頬を人差し指でつついたりしている。
垣根はしばらくそれを無視し、本気で怒鳴ってやろうかと真剣に悩んだが、最終的には諦めたらしく、大きくため息をついた。
面倒臭そうに頭をガシガシと掻きながら、垣根はテーブルの上に投げ出していた財布と携帯を掴んだ。
57: ◆VciN2PRcsw[saga]
2012/06/15(金) 02:14:41.90 ID:+yvPNbwX0
ブツブツと文句を言いながらも外へ向かう垣根の後を、心理定規はそれなりに楽しそうな表情をしてついていく。
二人は特別な間柄ではない。
決して仲良くするような関係ではないのだ。
それは、心理定規も垣根もわかっている。
必要以上の干渉など、暗部においては面倒事を生む厄介種でしかない。
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